「やっぱすげえなあ、あゆは」 “痛い”と叩かれても…今も浜崎あゆみに「40代が救われている」深い理由
世紀末とミレニアムという特殊な時代が彼女を明るく照らすほど、本人も世の中も、浜崎あゆみが40代、50代になった頃にどうなって何を歌うのか、「未来」が想像できなくなっていく、そんな感じだった。 ■「私は何を見せればいい?」と必死に問いかけてくる 加えて、彼女がブレイクした1999年は、匿名掲示板「2ちゃんねる」が生まれた年でもある。つまりブレイクと同時に、ファンとアンチだけでなく、そのどちらなのかもわからない、名もない人からの好奇の言葉があふれる状況と並走してきた歌手人生なのである。
逃げたくなるのも当然。辞めたくなるのも当然。2013年、突如アメリカに活動拠点を移したのも、日本に息苦しさを感じていたことは容易に想像がつく。しかし、2015年、2023年の2回、NHK『SONGS』で単独インタビューが行われているが、どちらもアメリカに行った後悔を語った。そして、それをきっかけに 「私は“ayu”として、今回の人生は、きちんとすべてのことに向き合って生きていこう」と、すべてを背負うことに決めた彼女は、今も消費されずに立っている。40代、どんな批判が集まろうが、華やかに発信を続けている。その覚悟に圧倒される。
もちろん、浜崎あゆみの活動を観ていて、それは必要なのだろうか、と思うことがある。自伝的小説『M 愛すべき人がいて』には首をひねったし、インスタグラムの加工強めの自撮り画像に驚くこともある。 あれだけ大スターになっても、どんなにセレブなエピソードをアップしようとも、不思議なほど自信満々という感じが見えない。ファンたちに「私は何を見せればいい?」と必死に問いかけてくるようだ。 ■40代があゆに勇気をもらえる理由
それでも今、40代の彼女に勇気をもらえるのは、結局、何度も何度も立ち上がり、見事に復活してくるからだ。一時は、左耳の聴力と声帯の不調に悩まされ続けたようで、テレビで観ていても、明らかにつらそうなときがあった。それでも対策を見つけ、舞台に立ち、ダンサーたちとともに、夢のような世界を繰り広げる。 現在、テレビで彼女のパフォーマンスが見られるのは年に数度。季節の節目に行われる歌謡祭はその貴重な1つだ。今年は12月4日に『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)の第1夜が放送され、『Rule』(2009年)、『SURREAL』(2000年)、『evolution』(2001年)の3曲スペシャルメドレーを披露。Xのトレンドに入ったのも納得の、素晴らしく力強い高音!