「やっぱすげえなあ、あゆは」 “痛い”と叩かれても…今も浜崎あゆみに「40代が救われている」深い理由
ただ、彼女の歌詞の威力はすでに1999年1月に発売されたファーストアルバム『A Song for XX』で知れ渡っていた。ギラギラと世の中心を闊歩していたようなギャルたちの「影」の部分を詰め込んだような1枚だった。 当時は、うんざりする不況や自然災害などによる絶望と不安、ミレニアムへの希望が混ざっていた混沌とした時期だ。 その中で、時代の中心に押し上げられ、楽しむふりをしながら、もがいている--、そんな女の子たちが自分では表せない言葉、隠したい言葉、強がって言えない言葉があゆの歌詞にはあふれていた。
JK(女子高生)の代弁者となった浜崎あゆみがはやらせたものは、歌だけでない。 ヒョウ柄、金髪ショートヘア、ネイルなど、ファッションも最先端をいった。自己プロデュースによる衣装の変化は、1970年代のアイドルが魅せたドラマ感もあり、見ているだけで妙な興奮があった。 ■タモリも感心した『M』の歌詞 浜崎あゆみの歌詞に心救われた人は多いが、私たちが熱狂した、“ある大逆転”の影にも、彼女の歌のパワーがあったようだ。
2024年12月4日に放送された『加藤浩次&中居正広の歴代日本代表286人が選ぶ この日本代表がスゴい! ベスト20』(日本テレビ系)では、浅田真央が「私を助けてくれた曲」として浜崎あゆみの『SIGNAL』(1999年、アルバム『A Song for XX』収録曲)を紹介していた。 誰もが息をのんだ、ソチ2014年冬季オリンピックの、ショートプログラムでのミス。まさかの16位にとどまってしまう。「そこで心が折れてしまって。逃げ出したいなと思った」(浅田)。
それを救ったのが、フリー本番2時間前、プレイリストから偶然流れてきた『SIGNAL』。浅田真央は再び顔を上げ、フリーの「鐘」で素晴らしい演技を披露。ジャンプをすべて成功させて世界を魅了し、6位入賞を果たしたのである。 【2024年12月16日17時35分追記】初出時、ソチ2014年冬季オリンピックの浅田真央さんのプログラム曲について誤りがありました。お詫びして修正致します。 「どん底の気持ちを奮い立たせてくれた」と彼女が語るその歌詞を読んでみると、確かに〈一生に一度の戦い挑むため〉顔が上がる、足が一歩前に出る!