小型で高効率…新半導体レーザーを実用化 京大が企業との橋渡し強化
京都大学は6日、工学研究科の野田進教授が発明したフォトニック結晶レーザーの実用化を加速させるため、一般社団法人の「京都大学フォトニック結晶レーザー研究所」を設立したと発表した。野田さんが代表理事を務める。応用開発や素子提供、技術支援、人材育成などを通じて、企業との橋渡しを強化する。 【写真】直径3ミリのフォトニック結晶レーザーが9個並んだモジュールを手にする野田進教授=京都市左京区 フォトニック結晶レーザーは、屈折率が違う物質を光の波長ほどの周期で並べた「フォトニック結晶」を組み込んだ新型の半導体レーザー。1999年に野田さんが発明し、研究開発を進めた結果、いまでは大型レーザーに匹敵する輝度を連続して出せるようになった。従来よりはるかに小型で高効率、低コストのレーザー加工や、車の自動運転の計測に使われるLiDARセンサー、医療用のレーザーメス、光通信など、様々な用途に役立つと期待されている。 これまでに大学の拠点に140社超の企業などから問い合わせがあり、延べ50社と共同研究などで連携してきたが、若手研究者の負担が増えたほか、ビジネスに直結する企業からの要望に十分にこたえられなかったという課題もあり、大学とは別に新法人を設立することにした。
朝日新聞社