メンズウェアD2Cの ローン 、2023年に実店舗数を倍増させた理由:オンライン市場の避けられない課題
デジタルネイティブなブランドによる実店舗進出
デジタルネイティブな多くのブランドがそうであるように、ローンの初期のリーダーシップチームはオンラインコマースの経験しかなく、実店舗小売の経験がなかった。「店舗を開設する際に自分たちが求めているものはわかっているつもりだったが、店の形式、規模、場所についてさまざまな試行が必要だった」とチェケッツ氏は述べる。 ローンの最初の常設店舗は、2019年にニューヨークのハドソンヤードにオープンした。パンデミックがはじまる直前のことで、パンデミックがはじまると、人気の高い同施設でも、いくつかの主要なテナントが退去した。 ローンが最近オープンした新店舗の多くは、サンベルトの各州にある。これは、ほかのD2C新興企業のトレンドに沿っている。現在はテキサスで2店舗、マイアミで1店舗を運営している。チェケッツ氏は、路面店だけでなくショッピングモールにも出店していると付け加えた。「まず市場に進出してから、その市場内で適切な場所を見つけようと試みている」。
体験型の店舗
もうひとつの焦点は、店舗をより体験型なものとし、より多くのサービスを提供することだ。ローンの一部の店舗では、リカバリーデバイスブランド「ハイパーアイス」のリカバリーセンターを提供しており、顧客(または、一緒に買い物をしている人)は店舗内でハイパーアイスのマッサージブーツを使用してリラックスすることができる。これは現在のところ、ハイパーアイスとのパートナーシップだとチェケッツ氏は説明している。ローンは現在、ハイパーアイスの商品を店頭では販売しておらず、店舗内での買い物を促進するための追加特典として、店舗内で利用可能にしているだけだという。しかし、チェケッツ氏は、ハイパーアイスの商品をローンの店舗内で販売できることをめざしているという。 また、ローンは最近、いくつかの店舗で「ローンカスタムメイド(Rhone Custom Made)」コーナーを設置しはじめた。ここでは、買い物客が採寸をして、ローンのワークウェア中心の商品ライン「コミューター(Commuter)」のカスタムメイドのシャツを手に入れることができる。 これらはすべて、買い物客の購買意欲を高め、同ブランド初心者の購買意欲を転換させる、より価値のある店舗体験を生み出すことにつながる。ローンのコンバージョン率は店舗内よりオンラインのほうが高いとチェケッツ氏は語るが、詳細は明かしていない。