文章中の「絶対に伝えたい1点」を抜群に印象づけられる“句読点、改行”のうまい使い方
文章を書き慣れてない人はもちろんプロでさえも正解が難しいのが句読点。どこにどう打ったら効果的なのでしょうか。 【写真】「仕事速いね!」と言われる人が意識している、たった3つのコツ エンタメ系トップブロガー「かんそう」さんは「句読点、改行は添えるだけ」と言います。かんそうさんが培ってきた文章にまつわる「考え方」「書き方」をまとめた著書『書けないんじゃない、考えてないだけ。』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。
句読点はどこに打つかではなく、どこを削るか
「句読点」(「、」「。」)の使い分けと「改行」は速度のある文章を作る上ではとても重要です。 文章を書く上で誰もが句読点や改行を足しがちですが、ハッキリ言ってそれは全て「間違い」です。句読点は「どこに打つか」ではなく「どこを削るか」。 句読点を1回打つたび「文章速度」は「1km」、改行1行ごとに「5km」遅くなります。1000文字に対し句読点が全体の1/10以上ある文章のページ離脱率は「通常の3倍」にも跳ね上がります(私調べ)。 「確証バイアス」という言葉をご存じでしょうか。 これは自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりに目が行き、そうではない情報は軽視してしまう傾向のことを指します。 つまり、人間は「自分が読みたい文字」しか読んでいない。壊れるほど文章を書いても1/3も伝わらない生まれながらのシャムシェイド。それならば逆にそれを利用してしまえばいいのです。 読者に対して多少の読みづらさを与えたとしても、「ここだけは絶対に読ませたいポイント」は逃さない。私はそのためだけに「添える」ような気持ちで「句読点」と「改行」を使っています。 私が4年前に執筆した「人生初の飛行機ファーストクラスで天国と地獄を見た」という記事を用いて説明します。 これまで飛行機に乗ってきて一度だってCAと目が合ったことなんてなかった…挨拶だって前の客の流れで俺だけいつもスルーされてきた…荷物だってこっちから言わないと荷物棚を開けてすらもらえない…そんな底辺クソ舐められ人間の俺に、、、こんな、、、天皇みたいな接客っっっっ…… シャッ! おもむろにエコノミーとファーストとの間のカーテンを閉めるCA。もはやエコノミーからはファーストの姿を拝むことすらできない。完全に民と神。 (kansou「人生初の飛行機ファーストクラスで天国と地獄を見た」より) 「これまで」から始まる心情部分は「…」と「、、、」を混在させて焦っている様子を表現しています。逆に「。」は意識的に使っていない。「。」を使うことで、そこで読者の没入感が薄れてしまうからです。心から興奮している人間は適切な位置に「。」など使いません。 逆に言えば「興奮した」と書いているのに「、」や「。」をちゃんと打ってる文章は全て「噓の文章」「感情の偽装文」です。 話を戻しましょう。