老後のために目指したすっきり暮らし。50代のうちに処分してよかったもの2つ
年齢を重ね、老後の暮らしが見えてくると、体力や気力があり、自分で判断できるうちに片づけておきたいと思うもの。50代で家じゅうの片づけを始めたという、整理収納アドバイザーの原田さよさんに、早めに片づけてよかった2つのものを教えてもらいました。 【写真】すっきりした押し入れ
60代の今思う、50代のうちに減らしてよかった2つのもの
ものを整理するには体力だけでなく気力が必要だというのは、みなさんも感じていることではないでしょうか。私もそうでしたが、捨てることが苦手だったのもあり、なかなか進められませんでした。それでも老後を身軽に暮らしたいと思い、50代になってようやく家じゅうのものの整理をしました。 60代になった今、50代のうちに手放しておいてよかったと思うものが、2種類あります。ひとつは大きくて重たい不要なもの、もうひとつは数が多すぎる「好きなもの」です。 これらについて紹介していきます。
1:「大きくて重たい不要なもの」を早めに減らす
不要になってきた家具と古い客用布団は、体力や気力があるうちにできるだけ処分しておきたいと思っていました。それらがなくなれば、部屋も収納も余裕を持って使えるようになるし、床が広くなって歩きやすくなれば、安全にもつながります。 使わなくなった家具で売れそうなものは、リサイクルショップへ持ち込んだり、買い取りに来てもらったりして手放し、それ以外は大型ゴミとして出しました。ぶ厚い布団は自治体のゴミ処理センターへ運び、薄手のものは燃えるゴミとして普段のの回収日に出しました。いずれも、住んでいる自治体ごとにルールが違うので、家具や布団を処分したいと思っている人は確認してから予定を立ててくださいね。
2:数が多すぎる好きなものも、早めに減らす
数が多すぎる好きなものは、たとえば私の場合は1位が服、2位が本、3位が食器でした。たとえ好きでも多すぎると、いずれ手に負えなくなるだろうし、そういうものほど、年齢を重ねるにつれ惜しくなって手放しにくくなると考えたからです。これは、実家の片づけをしている時に、しみじみ思ったことでした。 責める気持ちはありませんが、母は70代後半に入ったあたりから、「片づけたい、ものを減らしたい」と言っていたのに、いざ私が手伝いはじめると、なかなか「うん」と言ってくれませんでした。母が好きだった服や、仕事で使ってきた洋裁に関するものが、大量にあるのに、ほとんど手放せなかったのです。惜しいとかもったいないとか、いつか使うかもしれないとかいう気持ちより、母は寂しくて名残惜しかったのだというのが、そばにいてわかりました。 私はまだ名残惜しくなる前の50代のうちに整理し始めたことで、目標にしていた量にまで減らすことができ、管理がラクになりました。目標にしていた量とは、このタンスに入るぶんまで、この棚に収まるぶんまで、という今ある収納におさまる量のことです。