フラシティの花(12月16日)
シティセールス。自治体の魅力を宣伝し、知名度アップを目指す行政用語だ。人口縮小社会で定住・交流人口をどう増やすか。職員はセールスマンとなり、知恵を絞る▼いわき市は2018(平成30)年から「フラシティ」をうたい、市の魅力を発信している。フラはハワイ語で「踊り」を意味する。半世紀を超えるスパリゾートハワイアンズの歴史を踏まえ、日本のフラ文化発祥の地をアピールする。ロゴをあしらったアロハシャツや食品が続々と生まれた。「フラしき」という名の風呂敷も人気を呼ぶ▼民間の「応援団」が現れた。今夏発足した市民グループ「いわきオハナ会」は、ハワイの花を広めるボランティアに取り組む。フラガールの衣装に花は付きもの。プルメリア、ハイビスカス、ジャスミン…。年明けから会員が自宅で本格的に育てる。観光名所や駅、踊りのイベント会場に飾り、レイにしてスポーツ大会の表彰式でも贈ろうと思い描く▼ハワイ語でオハナは「家族」、プルメリアは「大切な人の幸せを願う」。いわきに来る人を家族のように花でもてなす。鮮やかな色合いと甘い香りに癒やされ、飾る人の温もりを感じれば心も踊る。また訪れたくなる。<2024・12・16>