なぜ「シウマイ」? 横浜市民も知らない、崎陽軒「シウマイ」11の謎に迫る!
横浜の名物といえば崎陽軒の「シウマイ」。どうしてシュウマイではなく「シウマイ」なのか、ご存じでしょうか。横浜市民も知らない、「シウマイ」の11の謎を解明します! 【画像】「崎陽軒」の1番好きなお弁当ランキング! 2位「横濱チャーハン」、1位は?
◆シウマイの謎<1>崎陽軒の「崎陽」ってどういう意味?
シウマイの謎を解く前に、「崎陽軒(きようけん)」という社名の由来から解いていきましょう。「崎陽」とは「長崎県」の別名で、“日が昇る岬”という意味があります。 創業者の1人である久保久行氏は、当時の横浜駅(現桜木町駅)の第4代駅長で、妻・コト(旧姓・野並)の名義で横浜駅構内での営業許可を受けました。久保久行氏が長崎県出身だったことから、出身地にちなんだ縁起のよい社名として「崎陽軒」と命名。 1908年、横浜駅で牛乳やサイダーなどの飲み物、餅、すしなどを販売する売店として創業しました。
◆シウマイの謎<2>シュウマイではなく、なぜ「シウマイ」?
崎陽軒のシウマイが発売されたのは、1928年のこと。昭和初期の横浜には「名物」といえるものがなく、崎陽軒の初代社長となった野並茂吉氏が、南京町(現在の横浜中華街)で突き出しとして提供されていたシュウマイに注目。点心職人の呉遇孫さんをスカウトし、冷めてもおいしいシュウマイを開発したのがはじまりです。 野並茂吉氏は栃木県出身で、独特の訛(なま)りでシュウマイのことを「シーマイ」と言っていたそう。その発音が、中国の「焼売」の発音によく似ているね、と呉さんに言われ、「シウマイ」という表記が採用されました。というわけで、「崎陽軒といえばシウマイ」なのです。
◆シウマイの謎<3>冷めていてもおいしいのはなぜ?
お店の突き出しとして提供されていたシュウマイは「蒸したて」でおいしいのですが、冷めるとどうしても味が落ちてしまいます。呉さんは試行錯誤し、豚肉と干帆立貝柱を混ぜ合わせることで、冷めてもおいしい「シウマイ」を完成させました。 このシウマイの材料は、1928年の発売以来、変えていないとのこと。シウマイの原料は豚肉、たまねぎ、干帆立貝柱、グリーンピース、砂糖、塩、コショウ、でんぷん、皮に使われる小麦粉の全9種類のみ。化学調味料や保存料なども使われていません。 シンプルな材料だからこそ、「また食べたい」と思わせてくれるのでしょう。