創部6年目で全国大会初出場 名張青峰高ホッケー部女子 三重
第56回全国高校選抜ホッケー大会(日本ホッケー協会主催)が21―25日、岐阜県の川崎重工ホッケースタジアムなどで行われ、全国9ブロックの代表男女各24チームが出場する。三重県からは名張青峰高校(名張市)ホッケー部女子が東海ブロック3位チームとして初出場。名張市が三重とこわか国体(2021年)ホッケー会場になったことがきっかけで発足。創部6年目でつかんだ待望の全国切符だ。 今年10月の東海高校選抜大会女子の部で2勝し3位になった。活動開始以来、公式戦で勝つのも初めてだった。岡山県出身でホッケーの強豪・天理大OBの節句田悟教諭(36)が赴任した18年に同好会から始動。翌年部に昇格したが部員は高校から競技を始める生徒がほとんど。人数も少なく、紅白戦も厳しい状態が続いた。 今年の春、生徒らを中心に部員勧誘に力を入れた結果、女子だけで14人の1年生が入部した。今までできなかった練習に取り組む中で、スピードのある山本千夏、ドリブルのうまい丸山晶乃の両FWを生かした攻撃の形ができてきた。部員増でチーム内の競争意識が高まったことも奏功した。 東海高校選抜は向陽高校(愛知)との1回戦に3―0で勝って公式戦初勝利とともに4強進出。0―0から山本の2連続得点で勢いに乗り、全員で失点を防いだ。準決勝は岐阜総合学園高校に完敗したが、岐阜県の東農実・可児工の両校連合チームと対戦した3位決定戦で0―0から突入したSO(シュートアウト)戦に勝って全国大会出場の最後の1枠にすべりこんだ。
サッカーのPK戦に当たるSO戦は2―1で制した。「得意の右の切り返しから、キーパーの足の間を狙って」2本目のシュートを決めた奥井ひより主将。「SO戦の練習は日々してきた」と胸を張るも、GKの岡本渓那が相手チームの最後のシュートを止めて3位が確定すると「皆で抱き合って、めっちゃ泣きました」。 全国大会は1回戦で古豪の巨摩高校(山梨)と対戦する。目標を「まず1勝」とするDFの奥井主将は「格上の相手。守る時間が多くなると思うが、そこを守り切って前につなげたい」。「今までの卒業生たちがつないで来てくれたことがここに来て花開きつつある」と感慨を深める節句田教諭も「今できることを全力でぶつけたい」と話している。