「資さんうどん」買収の狙い、すかいらーくHD社長「業態転換先として魅力」…ガストなどと店舗面積近似
「うどんの後にぼた餅」インパクト強い
――資さんうどんの味の印象は。 「以前に福岡に出張した際に食べたことがあった。ぼた餅があると聞いてはいたが、うどんの後にぼた餅(を食べる)というのは、インパクトが強かった。うどんは、九州らしい少し甘めのだしが特徴だが、福岡のうどんでよく言われるほど麺が軟らかくもなく、芯がしっかりとしていておいしいと思った」 「買収の検討では、(資さんの)冷凍うどんやスープを買って、関東の(グループの和食レストラン)『夢庵』で来店客に試食してもらったが、評価が高かった。特に年齢層が低ければ低いほど高評価だった。資さんうどんでいま売上高がダントツなのも、大阪市の店舗だ。(関東の数か所で実施した)期間限定のキッチンカーでは毎回、行列が出来た。全く問題なく全国で通用する味だ。うどんの(1世帯あたりの)消費量のトップ10の多くは東日本であり、人口が多い分、関東の方が売れると思っている」
――証券アナリストなど一部からは「240億円の買収額は高い」という声がある。 「確かに、ファンドがそのまま株式を上場してそれだけの価格になるかというと、そうではなかったと思う。しかし、我々ならシナジー(相乗効果)がある。物流や店舗など全国のインフラを生かせば、出店や採用コストも含めてかなりのコスト削減ができる。(現在2%程度の)営業利益率を上げ、店舗数を増やせる想定もできている」 「すかいらーくにとっても、業態転換で既存店の経営資源を活用できるうえ、グループにない客層を広げられる一助になる。そういった相乗効果まで考えれば、けっして高い買い物ではない」
――丸亀製麺、はなまるうどんの2強を追うには。 「まず200店を目指すが、それは通過点。もっと大きなブランドになる。海外展開もできると思っている」 「福岡の常連客からは、『少し寂しい』という声もいただいているが、すかいらーくのお客様センターには、『家の近くに出店してほしい』といった声が全国から届いている。期待値は高い。北九州の味を守ることは大前提。ぼた餅も全店で売る。北九州のソウルフードをナショナル(全国)チェーン化して、讃岐うどんだけでない、うどん文化を全国に広めていくことも有意義なことだと思っている」