ペリリュー島の遺骨収集加速へ 集団埋葬地で新たに12柱
太平洋戦争の激戦地パラオ・ペリリュー島で日本兵の集団埋葬地が確認され、厚生労働省は27日までに、遺骨12柱相当を新たに発見したと明らかにした。この地点には1086人が埋葬されたとの記録があり、今年は9月までに既に7柱相当が見つかっている。同省は来年の戦後80年に向け、島での遺骨収集を加速させたい考えだ。 ペリリュー島では1944年9~11月、日米両軍が激しく戦った。日本は陸軍歩兵第2連隊を中心とする守備隊がほぼ全滅。厚労省によると、日本の戦没者は約1万人で、うち約2400人の遺骨が見つかっていない。 同連隊は水戸市に拠点があった。戦没者遺族らでつくる「水戸二連隊ペリリュー島慰霊会」は2013年度、米軍が造営した集団埋葬地を示す地図を米軍海軍設営隊博物館から入手。その後、厚労省が埋葬者数などに関する情報を得たが、場所の特定は難航していた。 厚労省は現地調査を進め、鉄のくいが並ぶ一帯を昨年発見。今年5月と9月に計7柱相当を見つけたことで、集団埋葬地だと判断した。