IWGP防衛戦で右ヒジ脱臼→緊急搬送のママさんレスラー、5時間ハマらず悲鳴「でも陣痛よりは痛くない」
“悪魔”中島安里紗に引退延期を要求!?
――例えば「試合なんてしてないで、ちゃんと子育てをしろ」みたいな声はあるんですかね。 「全くないですね。たぶん、私がママさん感がないからなのか。『ホントに結婚してますか?』みたいに言われることは未だにありますけど(笑)」 ――女性のカラダのことはよくわからないですけど、産後の不調みたいなものも含め、まったく問題はない感じですか? 「体調面は大丈夫ですね。寝不足もなかったし。まあ、家族の協力もあったからこその今があるとは思っています」 ――正式な結論はまだ先なんでしょうけど、今後はどうなっていきますかね。 「術後の回復次第なのでなんともいえないんですけど、なんのために復帰したかっていうと、中島安里紗の引退試合(8月23日、後楽園ホール)のためなので、そこには間に合わせたい。あとは許されるなら岩谷麻優ともう1回、できたらなっていう思いは私のなかにはあります」 ――岩谷選手との再戦はともかく、もし中島選手の引退試合に間に合わなかったら、中島選手に「あんたのために復帰してこうなったんだから、私が治るまでは引退を伸ばせ」って言うしかないですね。 「言おっかな。それも人間ドラマですよね」 ――そう思います。だって「わざわざ中島安里紗のために限定復帰したのに、怪我したんだから復帰までくらい待てないのか!」っていう話じゃないかと。 「そうですよね(笑)」 ――そしたらファンも喜んだりして(笑)。 「お互いに、安里紗のため、つっかのため、ですもんね」 ――そうですよ! だって中島安里紗が引退するからって藤本つかさが限定復帰しなければ、今回の脱臼はなかったはずだから。 「ホントだ! ちょっと待って下さい。話が変な方向に!」 ――中島安里紗本人も悩んで悩んで決めたんでしょうから、滅多なことは言えないですけど。 「ですねえ……」 ――ちなみに岩谷麻優が脱臼した時は、復帰までに3か月かかったそうです。 「そうなんですか……。それじゃ間に合わない。でも私が12年前ヒジを脱臼した時には、試合を欠場しなかったです」 ――休まなかった!? 「運良く骨と靭帯が切れていなくて、損傷だけだったので、1週間後に試合をしましたね。だから今回はちょっと違うかもしれませんが。そういうパターンもあったので祈るばかりです」 ――すごい話をサラッと言いますねえ。 「それとこれ、書いてほしいんですけど、実は脱臼して、ヒジがハマるまで5時間かかったんです!」 ――え! 5時間もハマらなかった!? 「なかなかハマらなくて地獄でした。それはちょっと書いてほしくて。でも陣痛よりは痛くないので…」 そう言って藤本は出産経験者らしい言葉を発したが、最後は「でも、悔しいです。ホントに…」と本音を漏らした。 藤本が言うように岩谷戦は、初の一騎打ちにもかかわらず、絶妙にスイングした緊張感のある一戦だった。 そんななか、新日本プロレスの管理するIWGP女子王座の防衛戦を、スターダムではなく、アイスリボンで実施すること。 そこにはメジャーもインディーもあっさり超えた、令和女子プロレスの新しいカタチが見えた。王者・岩谷VS藤本の激闘が記念すべき新たな扉を開いたのである。 しかも「一寸先はハプニング」というアントニオ猪木が口にしていた自体が起こったこともまた興味深かった。 いつかこの続きが見られる時は、さらなる激闘必至の展開がリング上で繰り広げられるだろう。それを見届けるためにも、まずは藤本の怪我からの完全復帰を心待ちにしたい――。
“Show”大谷泰顕