これをしないと家族と最後のお別れすらできない…子供と離れて暮らす高齢者が今すぐやるべき「終活」とは
■まずはここだけ考えよう! 終活の3大ポイント この8つの項目に関しては、いつどのように準備していくべきなのでしょうか? 先ほどお伝えしたように、「ここに頼めば安心」「これだけやれば絶対大丈夫」という解決策は、残念ながらありません。 また、従来であれば家族が個別に解決してきた分野であるため、「老後ひとり難民」の場合、何が必要で何をすべきかが明確に定まっているわけでもありません。 それでも、できる分野から準備を進めていくことが大切です。具体的には、次の「終活の3大ポイント」を行っておけば、少なくとも問題が“大炎上”してしまうことは防げるのではないかと思います。 (1)自分に関する情報を整理する 自分の代わりに動いてくれる人の連絡先(電話番号)、延命治療に関する希望、お墓などの納骨場所、関連する契約(死後事務委任契約や任意後見契約)、遺言書などを整理しておく。 (2)契約・依頼を明確にする (1)で整理した情報について、自分の代わりに動いてくれそうな人に、どんなときに何をしてほしいか、あらかじめ依頼をしておく。必要な場合は、「代わりに動いてくれそうな人」や専門家(弁護士、司法書士、行政書士など)、「身元保証等高齢者サポート事業者」などと契約を結んでおく。 (3)自分がいなくても情報が伝わるようにしておく (1)と(2)について、たとえ自分の意識がなかったり死亡したりしたとしても、情報が周りに伝わるようにしておく。 「何をしていいかわからない」という場合は、まず(1)の「自分に関する情報の整理」をしておくだけでも、周囲の人が助かります。 ■「エンディングノート」を活用するのもおすすめ 情報をどう整理するか迷ったら、「エンディングノート」を書いておくのがよいかもしれません。 エンディングノートとは、自分の人生の終末期におけるさまざまな希望や意思を記録しておくためのノートのことです。自分が倒れて意識不明になったり亡くなったりした場合、周囲の人や病院のスタッフに自分の意向を伝えるための重要なツールとなりえます。 一般的には、延命治療に関する希望、葬儀やお墓に関する希望、財産の分配方法、大切な人へのメッセージなどの記入欄が用意されています。特別な形式があるわけではないので、市販品を使ってもいいでしょうし、必要な項目をパソコンでまとめてもかまいません。 ただし、エンディングノートを書くだけでは機能しないことに注意が必要です。 「大事なものだから」「人には秘密にしておきたいことを書いたから」などと考え、うっかり誰にもわからない場所にしまってしまうと、肝心なときに見てもらえないということになりかねません。 エンディングノートは、いざというときに必ず見つけてもらえるように準備することが重要です。どんなに情報をまとめていても、どんなに仲のよい親族がいても、自分しかその存在を知らなければ、意味がありません。実は、これが「老後ひとり難民」になるかどうかを分ける重要なポイントなのです。