クマよけ鈴や撃退スプレー売れてます 目撃情報急増の山口県内 ホームセンターなど、欠品の商品も
山口県内でツキノワグマの目撃情報が急増し、人身被害も発生する中、アウトドア用品店やホームセンターで、クマよけの鈴などが売れている。登山客や山間部で働く人の需要が中心だが、児童や生徒の登下校時の対策のため学校関係者からの問い合わせも目立つという。欠品の商品も出ている。 【写真】養蜂場に出没したツキノワグマ モンベル山口店(山口市)ではクマ鈴や笛、警笛などを扱う。丹羽敦士店長(40)は「入山者に加え、学校からの問い合わせが相次ぐ。商品の売り上げは例年の約2倍」と話す。遭遇時に有効な撃退用スプレーは9月ごろから欠品が続く。 同社は9月からスプレーのレンタルを始めた。山口店では事前予約が必要。同社広報部は「出没情報が増え、例年の販売数を上回っている。多くの人にスプレーを携行してもらえるよう取り組みを進めたい」とする。ホームプラザナフコ南岩国店(岩国市)も「在庫がなく、取り寄せの状態」という。 県内の本年度のクマの目撃件数は487件(10日時点)。過去最多だった昨年度の1年間の件数(444件)を既に超え、人身被害も2件起きている。 クマの生態に詳しい県立山口博物館の大森鑑能(あきたか)学芸員(31)は「クマを避けるためには鈴が最も効果的」と説明。近距離で出合った場合は「スプレーがなければ、腹ばいになり、後頭部を手やかばんで覆う姿勢を取ることが大事」と呼びかける。
中国新聞社