全米メディアは敗因分析に躍起「なぜバスケットW杯で米国が仏に敗れメダルを逃す波乱が起きたのか?」
敗因の3つ目としては戦術面に注目、「スモールボールが大型選手に通用せず」とした。 「ケンバ・ウォーカーとドノバン・ミッチェルは爆発的な能力で素晴らしいガードだが、このチームにおいて問題だったのは、フランスに41-28とリバウンドで圧倒されたフロントコート陣だった」と指摘。 NBAの最優秀守備選手に2度輝いたフランスのセンター、ルディ・ゴベールに21得点、16リバウンドを許し、「最初の20分で10度のフリースロー機会を与えた」と紹介。彼をマークすべき、マイルズ・ターナーが機能せず、ガードと、フォワードの「スモールボール」で対抗したが、それもうまくいかず、ブルック・ロペスが、フランス戦で無得点に終わったことを敗因として挙げた。 敗因の4つ目に挙げたのが、故障者が続出したチーム状況。ジェイソン・テイタムを左足首の捻挫で欠き、カイル・クーズマも足首の故障で離脱していた。「チームUSAは、メイソン・プラムリーのような特定の役割をこなす選手に頼らなければならなかった」と記した。 敗因の5つ目としては「他の国々の向上」とし、アルゼンチン、スペイン、イタリア、プエルトリコ、リトアニアなどの強豪チームの成長を例に挙げた。 その上で、「チームUSAはフランスに粉砕される前に、第4Qで一時、7点をリードしていた。それでも逆転を許したのは、フランスや他の海外チームが持っている国際試合の経験やチームとしての連帯感に欠いたからかもしれない」とまとめていた。
スポーツ専門チャンネルのESPNは、「チームUSAの弱点が、フランス戦の負けから明らかになった」との見出しを取って敗因を分析した。 「チームUSAは、金メダル獲得を狙う世界で最もパワフルなバスケットボールをする大国のチームではなく、シード順位が低いチームが3月(のNCAAトーナメント)でトップシード相手に番狂わせを狙うようなチームに見えた」という厳しい論調で伝えた。 「彼らは最高の選手を揃えることができていなかった。彼らは、ほぼすべてのポジションのサイズで下回り、得点を決める代わりにポゼッションを勝ち取るための選手交代を余儀なくされた」と、トップ選手の辞退者が続出したチーム選考を問題視した。 その上で 「ルディ・ゴベール(フランスのセンター)は彼らにとって大き過ぎた。フランスのボール回しと、ピック・アンド・ロールの戦術は多くの場面でうまくいき、米国代表のグレッグ・ポポビッチHCの戦術展開は、第1シードのチームが自らの戦いを見せるというものではなく、第8シードのチームがプレッシャーの中で弱点を埋めようとするような戦いだった」と批判した。 またW杯で採用されている試合時間40分、5ファウルでの退場などの国際ルールがNBAではなく、大学バスケットに近いものであることも紹介した。 CBSスポーツは来年の東京五輪に向けて大幅なメンバー変更が必要になることを指摘した。「中国でメダルを得ることなく去る米国代表だが、来年の日本での五輪には出場することができる。もし米国が次の夏に早い敗退を免れたいのならロースターに大きな変化が必要となる」と指摘。「チームはもっとフロアのスペースを埋める選手や俊敏な大柄選手を加える必要がある」とフランス戦でさらけ出した弱点について触れた。 その上で、ジェームズ・ハーデン、ステフ・カリー、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルック、デイミアン・リラード、ケビン・ラブ、トバイアス・ハリス、トレイ・ヤング、アンドレ・ドラモンドらNBAのオールスター級選手の名前を挙げて「このうちの何人かが、米国に4大会連続の五輪金メダルをもたらすためにロースター入りをする必要があるだろう」と記した。 米国を破る金星を挙げたフランスは13日の準決勝で世界ランク5位のアルゼンチンと対戦。一方の米国は12日の5―8位決定戦でセルビアと対戦する。