【住之江ボート・一般】太田和美が13度目のオール大阪制覇 ギリギリ差させずV
住之江ボートの昼間開催「第63回全大阪王将戦」(優勝賞金220万円)は最終日の7日、12Rで優勝戦「王将位決定戦」が争われ、1号艇の太田和美(52)=大阪・69期=がイン逃げを決め、2025年初戦をVで飾った。2着は2号艇の上條暢嵩、3着は4号艇の木下翔太で、3連単は670円の2番人気だった。太田は王将戦は9年ぶり5回目のVで、オール大阪は22年5月のラピートカップ以来13度目。住之江は26回目、通算ではSG7回を含めて91回目の優勝。次走は下関のGⅠ周年記念(11日~)を予定している。 【ボートレース】SG第60回ボートレースクラシック出場者【表】
■ヒーロー ここまでくればやっぱり負けない。地元の第一人者・太田和美が横綱相撲で人気に応えた。「大阪支部はみんな実力が高いから、なかなかチャンスがあるわけではないから」。それだけハイレベルだと自覚するこの地元戦を制し、表情には充実感が漂った。 予選を断トツで駆け抜け、悠々と優勝戦1号艇を確保。昨年末のグランプリで瓜生正義が軽快な舟足を誇った相棒は、地元の実力者の手にかかれば抜群に仕上がるのも当然。「優勝戦に入ればみんな同じぐらいの足でしたけどね」。そう話したものの、そこに枠番の利があるのだから、他選手にとっては高い壁だった。 ただ1Mは一瞬、ひやりとした。「ターンマークにちょっと寄り過ぎちゃって窮屈になった」。そこに3コース山崎郡が鋭いまくり差しを入れて急接近した。ところが「逆にそれで差されなかった」。山崎は太田の引き波の上でずるっと後退。全て計算ずくかと思えるほど、後続を振り切るには最高の角度のターンだった。 23年12月以来のV。「昨年は予選トップでも準優で負けることが多くて、流れを変えたいなと思っていた。これで変わってくれたかな」。最高の滑り出しを決めた新年に「SGを走るチャンス(出場権)はまだないけど、一年間しっかりと走っていきたい」と意気込む。 このVで通算91Vと、3桁Vまでカウントダウンにも入った。つかんだ流れでVを量産して、23年のオーシャンカップ以来遠ざかるSGロード復帰にも狙いを定める。(深堀慎一郎) ■プロフィル ◆太田和美(おおた・かずみ)1973年1月6日生まれ。大阪府高槻市立第十中-府立島上大冠高中退。登録番号3557。91年11月、住之江でデビューの69期。デビュー戦でいきなり優出(5着)し、翌92年8月には住之江で初V。94年3月には平和島クラシックでSG初参戦。GⅠは96年9月、若松周年で初Vを挙げ、通算21V。SGは98年の住之江グランプリで初制覇し、通算7V。165センチ、55キロ、A型。