<私の恩人>恵俊彰の中に息づく大竹まことの言葉
TBS系情報番組「ひるおび!」のメインキャスターとしてもお馴染みのお笑いコンビ「ホンジャマカ」の恵俊彰(51)さん。10月28日スタートのフジテレビ系バラエティー「その原因、Xにあり!」(金曜午後7時)でも司会を務め、さらに、活動の場を広げています。まさに、縦横無尽に芸能界を闊歩する恵さんですが、深く、強く、心に刻まれているのは大竹まことさんの言葉でした。 <私の恩人>石ちゃん「まいうー」の原点は忌野清志郎さん
「私の恩人」ですか。たくさんの方にお世話になって今の僕がありますので、何とも難しいお題でもあるんですけど、やっぱり、恩人ということで挙げさせてもらうとすると、大竹まことさんです。 もともとは、僕が個人的に大ファンということだったんですけど、番組としてご一緒することになったのはフジテレビで日曜お昼にやっていた「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」(1990~96年)でした。もちろん、司会は上岡さんで、大竹さんもそこに出演をされていて、僕は若手枠的なところで出してもらっていました。 当時、上岡さんはマラソンがお好きだったこともあり、僕も番組の中でオーストラリアのゴールドコーストでマラソンにチャレンジすることになったんです。僕が結婚したタイミングだったと思うんですけど、嫁さんにいいところを見せるみたいな企画で。そして、頑張って走っている僕に対して、行く先々で邪魔をするのが大竹さんだったんです。タバコを吸いながらちゃちゃを入れてきたり、僕に見せつけるように美女といちゃついていたり。そういう役まわりで出てこられると。 打ち合わせの時、大竹さんが「一生懸命走ってる人間からしたら、こういうヤツがいたらイヤだよな。さらにはもっとこんなことされたらたまんないよな」と言って、あれこれ話を振ってくるんです。最初は何なんだろうと思ったものの、はたと気づいたんです。要は、役割と向き合って、自分がどう動けば、みんなが望むことになるかを考えることが大事なんだと。それを言ってくださってるんだと。 当時の僕は良くも悪くも、自分が目立つことばっかりだったんです。“それぞれの役割”だとか“自分が番組に出る意味”まで考えが至っていなかった。その中で、何のためらいもなく大竹さんはヒール役を受けてくれて、さらに、役割を全うするという心得もサラッと教えてくれた。 役割を全うする。ま、言われれば、当たり前のことかもしれませんけど、当時の僕にはそれがすごく衝撃的でした。しかも、大竹さんが押し付けがましくなく、説教じみたことなんて一切なく、サラッと伝えてくださった。教えていただいた中身はもちろん、このスマートさというか、上品さというか、幾重にも勉強させてもらいました。