イチロー氏 近年の野球ルール変更に異議「いくつかやめて欲しいうちの大きな一つ」は「ドラマがないよね」
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(51)が、5日放送のBS-TBS特番「イチローVS松井秀喜~今だから話せる本音対談~」(後7・00)に出演し、近年の野球のルール変更について率直な思いを語った。 【写真】技術論を交わす松井秀喜氏(右)とイチロー氏 1学年違いで、ともに日米球界を沸かせた、ヤンキースGM特別アドバイザー松井秀喜氏(50)と、レジェンド同士の対談。昨年9月に収録された。 お互い野球愛をぶつけ合う中、話は松井氏の星稜(石川)時代の話に。3年夏の全国高校野球選手権で、2回戦で対戦した明徳義塾(高知)から5連続経験と警戒され、試合も敗れた話題になった。 高校野球では、大リーグや日本のプロ野球にならい、20年から申告敬遠が導入された。しかしイチロー氏は、「高校野球で言えばさ、今なら(申告敬遠で)“はい、歩いてください”と…。あれ5回と、4球ずつ投げて5回と、全然違うものじゃない?」と松井氏に問いかけた。さらに「ドラマ性が違う。申告敬遠、やめて欲しいんだよね。いくつかやめて欲しいうちの大きな一つ、申告敬遠。ネクストサークルにいる選手の気持ちとかさ、何もないじゃない?すっと行って」と、選手たちの心情に及ぼす影響の変化にも言及した。 松井氏が「あの4球、見ている間にいろいろ考えたいですもんね」とうなずくと、イチロー氏は「チッキショーと思うわけじゃない?そういう感情を想像させてくれない。ドラマがないよね」と続いた。 イチロー氏が疑問を呈するルール変更は、他にもあるという。「申告敬遠と、僕は甲子園でのタイブレークもやめて欲しい。急に試合が変わるでしょう?MLBでのタイブレークなんて、もってのほか。記録の価値も変わってしまうし、塁間の距離が変わっちゃったりね、ベースを大きくしちゃって。触っちゃいけないことに触っちゃいけないよね」。高校野球での7回制も議論がスタートする。夏の猛暑から身を守るための対策の一つだが、「今度、7イニング制にするとか…。そんなの、あり得ないじゃん?高校生たちに聞いたら、絶対に嫌ですって言うよね。9回やりたいに決まってるじゃん?そんなの」と、高校球児たちの思いを代弁するように話した。 松井氏も「8回、9回にあるドラマというのが…。特に高校野球ね」と、イチロー氏の思いに理解を示していた。