被害者が特殊詐欺犯の手口を語る ビデオ通話で顔・警察手帳を提示 個人情報で信用させて巧妙な話術でだます
警察官をかたる特殊詐欺の被害に遭った大分県内の男性がOBSの取材に応じ、被害にあうまでの巧妙な手口を語りました。だまし取られたのは妻との旅行資金でした。 【写真を見る】被害者が特殊詐欺犯の手口を語る ビデオ通話で顔・警察手帳を提示 個人情報で信用させて巧妙な話術でだます (被害にあった男性) 「被害金額は312万円ですね。お金を安全な場所に移すために指定する銀行口座に振り込みました」 ためらいがちに話すのは県内に住む60代の男性。男性は10月2日、特殊詐欺の被害にあいました。始まりは警察官を名乗る男からの1本の電話だったといいます。 (男性)「『+』でかかる海外からの電話なんですけど、うっかり私、出てしまって。10年ぐらい前に単身赴任していた時の住所や名前、携帯の電話番号を知っていた警視庁を名乗る刑事から『その名義で口座を開設している』と言われた」 そして、男から「逮捕した男の家からあなた名義のキャッシュカードが見つかり、あなたにも容疑がかかっている」と告げられた男性。取り調べは兵庫県で行うと言われ断りましたがー (男性)「『取り調べをしますので、今からラインのIDを言うので登録してください。30分くらいでサクッと終わらせましょう』と言われ、私は捜査に協力してあげる気持ちだったんですよね」 ■ビデオ電話で警察手帳を提示 顔出しも かかってきたビデオ電話を取ると相手の男は兵庫県警を名乗り警察手帳を提示しました。 (男性)「相手の男は、最初に警察手帳を見せました。次に顔を出すと、40代くらいで白い半袖シャツ、頭髪はスポーツ刈りで浅黒く、一見して刑事というような顔をしていました」 そして、男は「取り調べのために口座を凍結しなければいけない。現金を警察指定の口座に移動させましょう」と提案したといいます。1回の電話は長いものもあれば短いものもあったということで、長い時は1時間12分にわたり、通話しました。 その後、男性は何度か男と通話を繰り返し、現金312万円を振り込みましたが、何回かのやり取りの後、男が「チェックが難航している。全額口座に入れてください」と言われたことに、「おかしい」と思い、警察に相談し詐欺の被害にあったことが分かりました。