【バスケ】遂に「PG3人体制」となった琉球ゴールデンキングス、劇的に“課題”が改善して西首位堅持 今後の伸びしろは…
上位陣との対戦多い後半戦 桶谷HC「スタンダードを上げていく」
指揮官のコメントにあった「ふわっとした」という部分。漠然とした言葉ではあるが、集中を欠いたプレーや遂行力の低さを表現しているのだろう。これはクーリーに限らず、琉球がリードを広げた時に散見される現象だ。中盤に二桁点差を付けても、終盤にかけてリードが溶けていく展開はよく見られる。 京都との2戦目も第3Q中盤に最大22点をリードしながら、第4Q終盤には一時8点差まで詰め寄られた。平均リバウンド数が45.3本とリーグで飛び抜けて多いため(2位のアルバルク東京は40.0本)、この一戦のように最終盤の競り合いで逃げ切れることも多いが、いい流れのまま勝ち切りたいのが本音だろう。 試合後、桶谷HCも「ディフェンスのボーンヘッド(判断の悪い)なミスが多く、コンテストのファウルでも『相手に何点あげてしまうんだ』という印象でした。自分たちで作ったいいリズムを、自ら相手に返してしまうようなプレーが多かったです。盤石の展開で勝てたはずなのに、自分たちで苦しい展開に持っていってしまった。2024年を象徴するようなゲームでした」と苦言を呈した。 1月4、5の両日にホームで行われる茨城ロボッツ戦から新年の戦いが始まる。2位島根と2ゲーム差で首位を走るが、今後の対戦カードを見ると単純に優位と言える状況にはない。 現状でチャンピオンシップ(CS)進出が有力な各地区の上位3チームとの対戦成績は、琉球が7試合で3勝4敗なのに対し、島根は既に11試合をこなし、5勝6敗で乗り切っている。琉球はEASLの海外アウェー戦もこなしながらの戦いとなるため、引き続きコンディション維持のハードルも高い。 これらを念頭に、桶谷HCは「島根さんは強豪チームとの対戦がほとんど終わった中での2ゲーム差なので、自分たちはこれからもう一つ、二つステップアップし、スタンダードを上げていきたい。上位チームに勝つために課題をクリアしていきたいです」とさらなる成長を求める。それこそ強豪相手となれば、リードをしている時の一瞬の油断が流れを一気に持っていかれるリスクになる可能性はより高まるため、改善が必要だろう。 フルメンバーが揃い、攻守にチーム力が底上げされたものの、まだ伸びしろも多い琉球。今後の進化に注目したい。
長嶺 真輝