【バスケ】遂に「PG3人体制」となった琉球ゴールデンキングス、劇的に“課題”が改善して西首位堅持 今後の伸びしろは…
PGの厚み増し、荒川らが躍動 脇やローの負担減も
「マルチな役割」をこなしてきた例として、最も分かりやすいのが荒川だ。 これまでの全26試合に全て出場した選手は4人のみで、その一人である。ナチュラルポジションはSGだが、伊藤、岸本、平良のPG3人がいずれも欠場する時期があった中、ボールを運んだり、セットオフェンスでコールをしたりする役割も担ってきた。慣れない部分もあってターンオーバーも多かったが、厳しい期間にチームを支えた功労者だ。 荒川本人も「試練」と口にしていた試行錯誤の時期を経て、最近の試合では躍動が続く。キャリアハイタイの11得点を決めた京都との1戦目はターンオーバーゼロ。「+/-」(その選手が出場している時間帯の得失点差)も「+20」に達した。得点を狙うこととハードなディフェンスという本来の役割により集中できているように見える。 桶谷HCの評価も高い。 「颯に関しては気持ちが楽になったのかなと思います。PGは自分でコールをして、状況が変わる重大な役割を担います。それをやってきた中で、今は2番(SG)で点を取りに行っていい状況になったので、落ち着いてプレーができているのではないでしょうか。(2戦目の)最後ではオフェンスリバウンドも取りに行きました。あれは颯の課題だったんです。でも、あそこで取れたことは、また一つ大きな収穫かなと思います」 荒川と同じく、これまでフル出場で、ボール運びを担うこともあったルーキーの脇真大も「達哉さんや隆一さんがケガをした時は僕もボールを運ばないといけない時がありました。それ自体は嫌ではありませんが、まだ得意な方ではないので、みんなが帰ってきてからはしっかり運んでくれます。ヴィックの負担も減らせるので、改めて素晴らしいガード陣だと思います」と語り、やりやすさを感じているようだった。実際、京都との2戦目は「+/-」がチームトップの「+15」となり、脇も安定感が増してきている。 バスケットボールにおいて、チームの司令塔を担うPGは最も頭を使うポジションと言っても過言ではない。攻撃の制限時間が24秒で、目まぐるしく攻守が入れ替わる競技性も相まって、相手のプレッシャーを受けながらゲームをコントロールするためには優れたスキルや経験が求められる。その「負担」が軽減されることで、より自身の役割に集中ができ、パフォーマンスが向上するというのは自然な流れだろう。