【バスケ】遂に「PG3人体制」となった琉球ゴールデンキングス、劇的に“課題”が改善して西首位堅持 今後の伸びしろは…
ターンオーバーの激減と強度の向上
ターンオーバーの多さについては荒川だけの課題だった訳ではない。 琉球の平均ターンオーバー数はリーグで11番目に少ない12.3回。この数字自体は際立って多いというわけではないが、12月に入ってからは2試合で今シーズン最多の19回に達し、PG不足の影響が如実に表れていた。脇やアルマら若手も多い中、開幕前からチーム全体の課題にも挙げられていた。 しかし、京都との連戦はボール運びやコントロールが安定したことで、目に見えて改善した。初戦は8回で10試合ぶりに一桁に抑え、さらに2戦目は今シーズン最少の7回のみ。流れが断絶することが減り、桶谷HCはオフェンスのリズムに変化が生まれていると見る。 「PGが揃っていることで、ボールを運べる選手がちゃんといて、セットアップできるから流れがいいオフェンスができる。トランジションの中でもオフェンスを組み立てられるから、チームにいいリズムをもたらしています」 もう一つ、フルメンバーになったことによる変化がある。 指揮官が「体力を温存するプレーヤーが少なくなった」と言うように、全体のプレー強度が上がったことだ。平均得点が81.5点でリーグ6位につける京都を1戦目で70点に抑えたことは証左の一つだろう。2戦ともセカンドユニットが投入と同時に激しいディフェンスを仕掛け、流れを変えたことも厚みが増したことによる好影響がうかがえた。 この強度の向上については、連戦前からの伏線があったようだ。12月25日にあった東アジアスーパーリーグ(EASL)のホーム戦後、試合のビデオを見ながら桶谷HCが「自分たちはこれくらいのインテンシティ(強度)でしかプレーできてないよ」と不足感を指摘したという。それを踏まえ、高評価と課題を口にした。 「奮起する選手がいて、松脇などは一番理解してやってくれました。みんながヘルシー(健康)なので、外国人選手のところももっとできると思っています。例えばジャックはずっと休み無しでやってきたから『しょうがないな』と思う反面、ふわっとした瞬間が出てくるところがあります。その辺りをリフレッシュして、新年からインテンシティの高いバスケットできるようにしたいです」