“医学的根拠のある運動”で生活習慣病を予防! 「メディカルフィットネス」の効果や費用を医師が解説!
メディカルフィットネスの特徴
編集部: メディカルフィットネスの特徴を教えてください。 飯田先生: まず、それぞれの状態を正確に把握するための「医学的検査」を実施します。当院の連携施設の場合は、血液検査や尿検査、心電図や体組成計のほか、動脈硬化検査や心肺運動負荷試験などをおこなっています。このような検査で、現時点での体の状態や問題点、運動能力などを判断するところからフィットネスが開始されます。 編集部: そこから、どのようにフィットネスをおこなうのですか? 飯田先生: 検査後は、理学療法士が検査結果に基づいて運動プログラムを立案したり、看護師と面談をしてフィットネスの目標を決めたりします。施設によっても異なりますが、管理栄養士による栄養指導が入ることもあります。また、通常のスポーツジムなどのように、ヨガやピラティスを取り入れるメディカルフィットネス施設もあります。 編集部: 栄養指導もあるのですね。 飯田先生: そうですね。タンパク質の摂取を推奨することなどは通常のフィットネスと同じですが、メディカルフィットネスの場合はそれに加えて、それぞれの病気に応じた指導をおこないます。例えば、水分や塩分の摂取を考えたり、過食や過体重の場合はカロリーをコントロールしたりすることもあります。
メディカルフィットネスを受けるには?
編集部: メディカルフィットネスに興味が出てきました。 飯田先生: お近くにメディカルフィットネス施設があれば、直接話を聞きに行ってもいいですし、通院中の人は主治医に相談してみるなど、色々な方法があります。メディカルフィットネス施設を併設、またはメディカルフィットネス施設と提携している医療機関に相談するのもおすすめです。医師による診察や検査の結果を考慮して、それに沿った運動処方がオーダーされます。 編集部: メディカルフィットネスの費用についても気になります。 飯田先生: それぞれの病態やフィットネス施設によって金額が異なります。保険適用になるケースとそうでないケース、混合診療のケースなどもありますし、1回ごとのお支払いの施設もあれば、月額制の施設もあります。例えば、一般的にはプールがあると維持費がかかるので会費も上がる傾向にあるなど、値段設定も様々なので、それぞれの医療機関やフィットネス施設に確認してください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 飯田先生: フィットネスと聞くと、「時間に余裕のある人がするもの」「自分は忙しいので時間が取れない」というイメージを持つ人もいると思います。もちろん、仕事や家事で多忙な人が時間をつくるのは簡単でないことは承知しています。しかし、運動の機会を逃していることで生活習慣病や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高め、将来的に大きな代償を支払うことになるかもしれません。健康寿命を延ばすという観点からも、症状のないうちから運動の重要さに目を向けてほしいと思います。