F1第18戦、逆転でピアストリが今季2勝目、フェルスタッペンはふるわず5位【アゼルバイジャンGP 決勝】
鮮やかオーバーテイクでルクレールを下したピアストリが逆転勝利
2024年9月15日(現地時間)、F1世界選手権第17戦アゼルバイジャンGP決勝が首都バクーの市街地コースで行われ、マクラーレンのオスカー・ピアストリが優勝。2位にはフェラーリのシャルル・ルクレール、3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが入った。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは優勝争いにからめないまま5位。RBの角田裕毅は1周目の接触でマシンにダメージを負った影響でリタイアとなった。 【写真はこちら】最速ラップを狙っていたフェルスタッペンの目論見も潰えてしまった(全5枚) 前戦イタリアGPではフェラーリとルクレールの1ストップ戦略の前に痛恨の敗北を喫したピアストリが、見事なリベンジ勝利を果たした。 レース前半はポールポジションからスタートしたルクレールが先行。しかしピアストリもしっかりと喰らいつきフェラーリに大逃げを許さない。そしてミディアムタイヤからハードタイヤに交換した第2スティントでは周回を重ねるごとにピアストリが接近。そして20周目に入るメインストレートでDRSを使って一気に差を詰めると、ルクレールの虚をつくレイトブレーキングでインをつき、鮮やかに首位を奪った。 その後も両者は激しい首位争いを演じるが、最終盤にかけてフェラーリのリアタイヤがタレてルクレールは万事休す。 逆転でシーズン2勝目となったピアストリは「抜くなら、グリップのある第2スティントの最初しかなかった。レース後半になると厳しくなると思っていたから、あそこでブレーキを遅らせて飛びこんだ。すごくいいレースができた」と満面の笑み。 一方、またしても得意なはずのアゼルバイジャンでの勝利が叶わなかったルクレールは「ハードに換えたらすぐにリアが厳しくなってしまった。抜かれたのは、守るべきところを守らなかったから。時にはミスすることもある」と悔しさを滲ませた。
レッドブルがついにコンストラクター首位陥落
レッドブルの凋落は、アゼルバイジャンでも止まらなかった。予選から不振のマックス・フェルスタッペンはレースでもグリップ不足に悩んでまったくペースが上がらず、レース終盤にはQ1敗退で下位グリッドからハード、ミディアムとつないだマクラーレンのランド・ノリスにもあっさりとかわされる体たらく。 レッドブルにとって最悪だったのは、この週末はチームメイトよりも好調でレースでも終始ルクレールvsピアストリの首位争いの背後で機を伺っていたセルジオ・ペレスが、土壇場の50周目にルクレール攻略に失敗した挙句に後続のカルロス・サインツにかわされ、さらに両者クラッシュでリタイアに終わったこと。 このアクシデントによってレースVSC(バーチャルセーフティカー)発動のまま終了となり、2度目のピットインでソフトタイヤに換え最速ラップを狙っていたフェルスタッペンの目論見も潰えてしまった。 この結果、コンストラクターズ選手権ではついにマクラーレンがレッドブルを上回ったばかりか、逆に20点の大差をつける状況に。ドライバーズ選手権でも、予選失敗で大ピンチだったノリスがフェルスタッペンとのポイント差をわずかながら縮めることに成功した。 次戦第18戦シンガポールGPは9月20日、シンガポール市街地コースで開幕、決勝は9月22日に開催される。(文:新村いつき)