「理由も分からず知能検査受けさせられ…」女児のパンツを盗んだ男 2度目の法廷で語った言葉と事件の背景【後編】
■◇◇◇「性犯罪再犯防止プログラム」とは また、性的な嗜好に起因する様々な犯罪に手を染めてしまった人たちに対して行われる、「性犯罪再犯防止プログラム」についても話を聞いた。 刑務所から仮釈放された人と、保護観察付きの執行猶予判決を受けた人に対して行われるもので、強制わいせつ、強制性交等、準強制わいせつ・準強制性交等の罪に問われた人のほか「罪名のいかんに関わらず『犯罪の原因・動機が性的欲求に基づく者(下着窃・住居侵入等)』」が対象となる。 プログラムは、刑務所や少年院のほかに、仮釈放された人や保護観察処分となった人に対しても行われる。 その内容は、医学的な「認知行動療法」に基づいたものとなる。 性犯罪に繋がる可能性のある「認知の偏り」などを自覚させた上で、事件を振り返りながら問題点を深掘りする形で進められていく。そして、原因や再犯に繋がりかねないリスクを特定し、対処方法をまとめていく。それらが繰り返し行われる。 ■◇◇◇求められる「自覚」と「意思」 「性犯罪再犯防止プログラム」について、精神領域を専門とする医師は、その有効性を高めるためには「自覚」と「意思」が求められると指摘する。 「一般論になるが、治療を行うのに際して、本人が『性癖に偏りがあり、それが他人に迷惑のかける可能性がある』のだと、きちんと自覚することが必要となる」 「きちんと自覚できたならば、もう治療は半分くらい済んだともいえる」 その上で、いわゆる特効薬といえるような治療方法は存在しないと話す。 ■◇◇◇人の心を変えることはできないが 「精神医療においては、投薬治療を行ったところで効果は期待できないといった症状は結構多い」 「時間を掛けてカウンセリングなどを行い、話すことを重ねていくことで、解決策が見えてくることがほとんど。その中で、意外なところに原因が見つかる場合もある」 「無理矢理に人の心を変えることはできない。ただ人は、人の心を変えるきっかけを作ることはできる」
【この記事は前編・後編の後編です】
あいテレビ