延べ床面積は約1.8万㎡…三菱電機、中国にFA新工場
三菱電機は中国・大連市に工場自動化(FA)関連の新工場を建設し2025年秋に稼働する。インバーターや配電制御機器などの生産を想定する。延べ床面積は約1万8000平方メートル、投資金額は数十億円を見込む。大連地区では4棟目で、20年ぶりの新工場となる。直近では中国経済の減速でFA事業は不振だが、中国では中長期的にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ、CN)関連の需要増が期待でき、生産能力の強化で対応する。 【写真】三菱電機が建設中の大連第4工場 新工場は「大連第4工場」で、このほど着工した。三菱電機の中国におけるFA事業の開発、生産、販売の拠点である大連地区に建設する。 大連地区では1994年に子会社の「三菱電機大連機器」を設立。95年に第1工場が竣工し、遮断器の生産を始めた。98年に第2工場、2004年に第3工場がそれぞれ竣工しており、現在はインバーターやレーザー加工機も生産する。第4工場の規模は第3工場の約2倍の規模となる。 大連地区での生産品の約半数は中国国内向け。日本や東南アジアなどにも輸出している。 同社の24年4―6月期のFA事業は中国経済の景気減速により、リチウムイオンバッテリーなどの需要が停滞し、前年同期比で減収・営業減益となっている。一方、世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である中国は、60年までに実質的なCNを達成する目標を設定。CN関連製品の中長期の需要増は底堅いと判断し、今回の投資を決めた。 また、コロナ禍でのサプライチェーン(供給網)の混乱や地政学リスクに備え、同社は消費地の近くで生産する地産地消を世界的に強化している。