三越伊勢丹の名物バイヤー、神谷氏がサステナビリティ推進部マネージャーに就任 新境地を語る
神谷:まず、ラグジュアリーは高級や豪華という意味ではないということを最初にお伝えしたいです。目新しさだけでもない。自分と仲間の未来を豊かにしてゆくもの、と考えています。豊かになる、をほかの言葉に置き換えると、感動する、笑顔になる、成長する、新しいつながりができるといったこと。それを実感できるのがラグジュアリーだと思います。
WWD:「ファッションの伊勢丹」は最先端のファッションを扱っています。その中でファッションとサステナビリティは両立すると思いますか?
神谷:両立すると思います。社会価値も含めて考えること自体がクリエイティブだと思うから。
WWD:今後の課題は?
神谷:バイヤーは幅広いスコープを持ち情報収集していますがリソースとなる要素が個人や規模の小さい事業者になることも多い。いわゆる「人と人」の関係性からキッカケが生まれ、そこに寄り添った活動となることも多いため、企画やプロジェクトが属人化しやすく、企画の規模化や発展性、継続性を目指した仕組み化が難しくなってしまうことが課題です。
「デニム de ミライ」のときは、ヤマサワプレスでオープンファクトリーを開催し、社内メンバーに実際に体験し共感いただいたことで多くの人を巻き込むことができました。共感を生みだすためのストーリーを作り、メンバーを集め、経験を共にして、組織化と仕組み化をしていくというプロセスが非常に大切だと思いました。