「逃げ場ない」日本が「戦場」になったら…中国の「台湾侵攻」まさかの「死者数」予測
核兵器使用のシミュレーションの結果は……
日本にとって最悪のシナリオは、核戦争へのエスカレートです。通常戦力で劣勢に追い込まれた側が戦況を打開するために戦域核兵器を使用する可能性は否定できません。 2023年3月、安全保障の専門家らによる国際プロジェクトが、北東アジアで核兵器が使用される事態を想定したシミュレーションの結果を公表しました。 プロジェクトは、長崎大学の「核兵器廃絶研究センター」と米国のシンクタンク「ノーチラス研究所」などが共同で行ったもので、世界中から30人以上の専門家が参加。北東アジアで核兵器使用に至る可能性のあるシナリオを検討し、そのうち五つについて核兵器が使用された場合の死者数を推計しました。 五つの中で最も大きな被害が想定されたのは、台湾有事で核兵器が使用されるシナリオでした。
死者260万人の悪夢…
通常戦力で敗北が迫っていると確信した中国は、米軍の作戦拠点となっている在日米軍基地などを核弾頭搭載の弾道ミサイル「DF(東風)26」で攻撃。これに対し米国も、低出力の核弾頭「W76-2」を搭載した潜水艦発射型弾道ミサイルで中国本土の核兵器関連施設などに反撃を加えます。 最終的に米中合わせて計24発の核兵器が使用され、死者は数ヵ月の間に260万人に達します。放射線被ばくによる影響は長期間続き、がんなどによってさらに最大83万人が犠牲になるといいます。これは悪夢としか言いようがありません。 台湾有事で米国本土が戦場になる可能性は低いので、米国は抑止に失敗しても戦争に勝てばいいと考えています。しかし、日本は国土が戦場となり、戦争の結果いかんにかかわらず甚大な被害が発生します。日本国民の生命と安全を第一に考えるのであれば、戦争は絶対に起こしてはならないのです。 今後、台湾有事を回避できるかどうかに日本の命運がかかっていると言ってもいいでしょう。 >>議論の内容をさらに詳しく知りたい方は「米国を「恐怖の底」へ突き落とした中国!米国が日本を「犠牲」にしても守りたいものとは一体…」もお読みください。
布施 祐仁(ジャーナリスト)