三浦雄一郎さんが報告会 南米最高峰登頂を断念(全文3完)訓練次第で可能性はある
ロシア最高峰登山の時期は?
時事通信:時事通信【オク** 00:44:25】と申します。豪太さんに伺いたいですのが、先ほど、空港で、エベレストの前にロシアの最高峰の山を登るプランもあるというふうにおっしゃってましたけど、それはいつぐらいのタイミングでっていうの、今、ご想定されてますでしょうか。 三浦豪太:そうですね、いつもうちの父親のプランが5年おきなので、それよりももう少し細かいスケジュールで、小さな、決してほかの山が小さいっていうわけではないですけれども、エベレストにつながるような道筋を立てながらのほうが、トレーニングとしては行いやすいのではないかと思っております。うちの父親のトレーニング次第、あるいはトレーニングの成果がその山でどう出るのかっていうことも含めて、次に適当なのはロシアのエルブルスじゃないかなと思っております。 時事通信:1年前とか2年前とかっていうのはまだ。 三浦豪太:そうですね。これからちょっと、まだ、プランを立てながらやっていきたいなと思っています。はい。 司会:はい。引き続きご質問がまた、ごめんなさい、どうぞ。【ゴトウ 00:45:46】さん。
ベースキャンプに一旦下りるという選択肢はなかったのか
NHK:NHKのゴトウと申します。大城先生、皆さんにお伺いしたいんですけど、ベースキャンプからアタックが始まるときに、標高4000メートルまではうまく巡回してたと思うんですけど、その日、1日で1800メートル、1日登られたと思うんですが、そこはチームとして、そこから先は心臓への負担が、そこに掛かるなっていう、チームとして不安、そこが【**** 00:46:10】になるかなっていう不安みたいなことは、【**** 00:46:12】ことと、【サイ***ナラ*** 00:46:13】ときに、6000メートルで下山したときに、今までの【ベースキャンプ**** 00:46:17】下りるっていう選択肢はなかったのか、ちょっとお伺いできますか。 三浦豪太:今まで側の? NHK:ベースキャンプに。 司会:いったん下りるかという。 三浦豪太:そうですね、このプランが最初に出たとき、高度順化っていうのはどことの兼ね合いになるのかって言ったら、登山者の体力なんですよね。で、高度順化っていうのは高いところに行って、そしてまた標高を下ろして、負荷を掛けて、体を順応させるんですけども、実はこの方法、体力がどんどん減っていく傾向にあるんですよね。で、若い方だったらどんどん標高を上げて、滞在して、疲れても下に下りてきて体力を回復させる。ところが、ある程度の年齢になった場合に、これがなかなか難しくて、標高の高いところで体力をなくすこと自体がその登山を失敗させるリスクにもなりうるということなので、今回行った方法というのは体力を温存しながら、ある程度、酸素を使いながら、それに体力を温存させながら登る方法というのを考えておりました。ただ、先ほど冒頭にもあったとおり、1月18日の日にヘリコプターで入った。本来だったらそのまま頂上での山頂、1月21日だと思うんですけれども、その当時に出した計画では、おおむね天気がいい予報だったんですよね。ところが、上がって、18日の日、翌日見たら、20日が特に暴風、21、22も風が続くということで、2日間滞在することによって、それを回避できるのではないか、ここがちょっとジレンマなところだったんですけれども、本来、高所滞在に適する高度順応っていうものを少なくした上で短期決戦だというのが今回の作戦でした。2日間そこでいることによって、そもそも高度順応を当てにしていない、要は酸素を使うようなプログラムの中で、高度衰退のほうがどんどん激しくなっていたというのが今回の誤算だったんじゃないかなと思います。そこから一度下りて上がるということは、まさに高度順化の過程で、それを体力を使って行ってしまうということなので、なかなか今、大城先生のおっしゃられた高所滞在の中での健康リスクに沿うようなプログラムを、そこから建て直しがなかなか難しかったんじゃないかなと思います。いかがでしょうか。 大城:はい。そうですね、標高を4200から5000、結果600になって、6000まで歩くっていう戦略に関しては、体力温存としては良かったと思います。ちょっとその部分が急なんですよね。急で長かったので、そこはちょっと3日ぐらい掛かっちゃうんですよ、もし歩くとすると。そうなると高所滞在がプラス3日になるのは、もう、普通の若い人でも無理なの、難しいので、そこはもう難しいだろうっていう判断でしたから、選択としては良かったと思います。 一番難しかったのはやっぱり、酸素さえあれば皆さんいろいろとできるんじゃないかと思うかもしれないんですけども、6000メートルぐらいのところでテントのような閉鎖された中にいると、酸素をして何か行動をするという2つのことを同時にやること自体が非常に難しくなってくるんですよね。なので、ふと気付くと酸素をしないで行動してしまうっていう機会が増えちゃうんですよ。これは注意してやろう、やろうと思っても、なかなかできなくなってくるんですね。そこが非常に難しくて、そこがやっぱり6000メートルから顕著になってきて、酸素を使わない時間が時々出てくる。ずっとじゃないんですよ。時々出てくるだけなんですけど、それによって、4200では全然出てこなかった心臓の兆候が明らかになってきちゃったんですね。なので、そこに一番、やっぱり生活をするというところで、リスクが出てきてしまったのが一番問題だなと思います。