残業時間が多い印象の「営業マン」。給与は高そうですが、「時給」はかなり低いのではないでしょうか…?
営業職は顧客や取引先と直接やり取りを行い、自社の商品やサービスをアピールし、購入や契約に結び付ける仕事です。会社の利益に直結する仕事なので、とても重要な仕事であるといえます。しかし、営業職は給与が高そうだけれど、残業が多くて仕事がきついイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、営業職の給与と残業時間を他業種と比較し、気になる「時給」について解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
日本人の平均年収と営業職の年収の比較
表1が、dodaの統計をもとに作成した全職業の年代別と男女別の平均年収のデータです。表2の営業職の男女別の平均年収のデータと見比べてみてください。 表1 全職業の年代別と男女別の年収
※dodaの統計をもとに筆者が作成 表2 営業職の男女別の年収
※dodaの統計をもとに筆者が作成 dodaサービス登録者のデータによれば、サービス登録者の平均年収は414万円となっています。対して、営業職の年収は456万円となっており、営業職は他業種と比較して、年収は高めです。また、年収は、年代や男女の賃金差からも大きな違いが生まれることが分かります。
全職種の平均残業時間と営業職の残業時間の比較
オープンワーク株式会社がまとめた「日本の残業時間 定点観測」の「日本の全職種の残業時間の推移」によれば、2014年には月の平均残業時間が40時間を超えていたのに対し、2021年以降は24時間を下回っています。 残業時間が大きく減少したのは、働き方改革関連法の施行やコロナ過の影響が考えられますが、依然として残業が多い職種は存在し、残業時間は職種によって大きな違いがあります。 dodaが2023年4~6月を対象に行った、月の平均残業時間の集計によれば、全体の職種で平均21.9時間です。その中で営業職にしぼると、人材サービスの営業は30.0時間、小売/外食の営業、医療機器メーカーの営業は29.3時間という結果になりました。営業職は上位にランクインしており、他の職種と比べて、残業時間が非常に長いことが分かります。 営業職は、外回りの多さで付随する事務仕事が遅れ、取引先との付き合いなどで、実際に残業時間が長くなる傾向にあるようです。残業時間が比較的短い職種としては事務職が知られていますが、営業職などの残業が多い職種は、時給に大きな影響を及ぼす可能性がありそうです。