<リオ五輪>女子バスケ、米国を知る渡嘉敷が挑む世紀の番狂わせ!
「こっちではほとんど中でプレーすることがないので、そこは本当全然違うと思う。唯一、一緒と言ったら日本でもちょっと外から貰ってドライブをたまにするぐらいなんですけど、その“たまに”がこれからメインになってくるので」。しかし、「基本的に今はプラスになっていると思うし、日本に帰った時に自分にとってプラスになっているかどうかというところ。逆に『アメリカでそれだけ外でやっていて、今は中で出来ないのかよ』と言われたらそれまで」と、日本代表の中での自らの役割を忘れることなく、アメリカでの今後の経験を自らのプレーに生かしていくつもりであることを明かした。 プレシーズンゲームのマーキュリー戦には全日本の内海知秀監督が観戦に訪れていた。 内海監督は、日本との役割の違いについて「元々外角のシュート力は持っているので、そういう意味ではこれからもっとこういう場で活躍することによって彼女の自信になって、それが全日本の力にもなっていくと思うので、是非頑張ってもらいたい」と頼もしげに話した。 「彼女の場合は意外と緊張しているようで、いい緊張感を持ってプレーに入れるので、そういう意味ではすごいと思います」と、改めて感心した様子を示した。 もう一つの課題は日本ではほとんど困ることないフィジカル面。国際大会になると必要となってくる体の強さだ。先に出たグライナーも身長203cm、体重90キロ。こういう選手達とフィジカルに戦うことに慣れていくことは、今後日本を背負っていく渡嘉敷にとって非常に重要なことだった。 「強さ高さ対策は本当にこの3か月間しかできないので、そこはしっかりと肌で感じて経験したいと思います」。渡嘉敷はきっぱり言った。 控えとしてのプレーについては、「交代で出た時自分が一番元気なので、そこはいいところ。3分で自分の力を発揮しろと言われると無理だと思うんですけど、ディフェンスでリズムを掴めれば、ある程度流れは変わってくると思う。そのディフェンスは絶対に5人でやるものじゃないですか。オフェンスは1対1とか2対2で出番がないかも知れないけど、そういったところで、交代で出ても自分の役割があると思っているので」と前向きに捉えた。 その意志は現実となり、シーズン途中からは先発の座を勝ち取った。30試合に出場して1試合平均ルーキー3位の8.2得点、同6位の3.3リバウンド、またシュート成功率は同2位の86.2%を記録し、2015年シーズンのルーキーチーム(新人ベスト5)に選ばれた。