【注目ドライバー】角田裕毅は4季目での大躍進なるか…新チームの2024年は真価の問われるシーズンに|RB|F1
窮地の角田は最終ラウンドの第12戦バーレーン2で、卓越した勝負度胸を示した。レース1予選ではポールポジションを獲得し、これで4ポイントを加算してランキング4位に浮上。フィーチャーレースでは序盤で一度マゼピンにトップを譲るものの、角田はそこからタイヤを温存しつつ、冷静にチャンスを窺う。 そしてラスト5周、マゼピンをホームストレートで抜いてトップに躍り出ると、そのまま後続を突き放してリーダーとしてフィニッシュを果たす。これで角田はスプリントレース1戦を残し、年間5位以上が確定。スーパーライセンス取得条件をほぼクリアとした。 翌日のスプリントレースでも角田は冷静なレース運びを見せて上位を狙い、最終ラップの最終コーナーで2位に浮上し、表彰台に立った。このレースではファステストラップのポイントも角田に加算となり、シーズン200ポイントに到達。2位のカラム・アイロットとは1ポイント差の年間3位となり、角田はスーパーライセンス取得条件にストレートイン成功となった。
7年ぶりの日本人F1ドライバーに
2020年12月16日、アルファタウリF1チームは2021年のシートに角田裕毅が収まることを正式発表した。 ケータハムのレギュラードライバーとして2014シーズンに戦った小林可夢偉以来、7年ぶりの日本人F1ドライバー誕生。また、2000年以降に生まれたレーサーとして、史上初のF1ドライバーとなった。
開幕から存在感を示すも苦難続きの1年目
2021シーズン開幕前のテストでは、マックス・フェルスタッペンから僅差の2番手タイムを叩き出し、F1デビュー前から大きな期待を集めた角田裕毅。 開幕戦バーレーンGPでは順調なレースペースを示しながらキミ・ライコネン、セバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソと歴代の元王者を次々に脱いていき、9位フィニッシュを果たした。ルーキー初戦がいきなり入賞でポイント獲得という申し分ないデビュー戦となった。 だが第2戦エミリア・ロマーニャGPでは公式セッション中のクラッシュでマシンを壊し、第4戦スペインGPでは予選Q2に進めずフラストレーションを溜めるような場面が散見された。結果が伴わずに苦しむレースもあったが、アゼルバイジャンGPでは7位。イギリスGPでは10位、ハンガリーGPでは6位と、混乱混じりのレースでは要所でポイントを手にしていった。 中盤戦に入るとシャシーの交換、先輩アレクサンダー・アルボンがアドバイザー役を務めるなど、徐々に巻き返しの要素を積み重ねていき、2021年9月には2022年もガスリーとともにアルファタウリのレギュラードライバーを務めることが発表された。本人は後にこの時の発表を「少し驚いた」とも語っている。 シーズン終盤戦に入ると予選では高確率でQ3まで進めるようになり、最終戦アブダビGPではガスリーを上回る周回ペースを各セッションでマークし、予選では22レース目にして初のガスリー超えをマーク。 決勝では大きなミスもなく順調に順位を上げていき、セーフティーカー明けのファイナルラップではバルテリ・ボッタスを抜いて4番手に浮上。そのままキャリア最高位となる4位でホンダF1活動ラストレースを締めくくった。