大相撲九州場所初日、横綱不在も、15日間のチケット完売!ちょんまげの新大関・大の里は土俵際で逆転勝利。3大関は白星発進だが…
2024年11月10日、大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎えた。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。 * * * * * * * ◆唯一無二の力士 大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎えた。 横綱・照ノ富士は、糖尿病の悪化と膝痛と腰痛で休場。今年は初場所と名古屋場所で2回優勝したが、秋場所に続き2場所連続休場となり残念だ。 新大関・大の里は、9月25日の大関昇進伝達式の時に「唯一無二の力士を目指し相撲道に精進します」と、口上を述べた。大の里は新入幕から大関までが5場所という最速出世で第1位。昭和33年以降(年6場所定着以降)では横綱・大鵬の6場所を抜いている。髪が伸びるのが間に合わず、「ちょんまげの大関」というのは既に「唯一無二」だ。 初日は、前頭筆頭・平戸海に攻め込まれたが、土俵際で突き落としての逆転勝利。幕内3回目の優勝が果たせるかが見もの。 NHK大相撲中継の専属解説者となった琴風さん(元大関・琴風、引退後は尾車親方)は、先場所のがむしゃらに勝つ相撲と初日の相撲を比べて「大の里も人の子だったんでしょうね」と語った。そして、審判を務める師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の隣りに勝ち残りで坐った大の里に対して、「(二所ノ関親方に)叱られるか、喝を入れてもらえる」と話していた。
◆正代いけ~! 私は、二所ノ関親方が廻しを締めて、大の里に三番稽古(同じ相手と何番も稽古すること)で指導している姿をテレビで見て驚いた。稀勢の里が引退したのは平成31年1月16日。5年たつのに、身長192cm、体重182kgの大の里を泥だらけにして稽古をつけていた。OB戦をやったら、二所ノ関親方は絶対に優勝する。 大関・琴櫻も元大関の小結・正代に土俵際まで押されたが、突き落としで勝った。優勝したことがない琴櫻を応援したいところだが、私は正代の長年のファンなので、「正代いけ~!」と叫んだ。バッタリと倒れた正代の姿が悲しくて、明日のおやつに取っておこうと思ったチョコプリンを食ってしまった。悲しいと不思議と甘いものが食べたくなる。 大関・豊昇龍は前頭筆頭・王鵬を寄り切った。王鵬には驚いた。先場所7日目に右目付近を負傷したが、そのまま相撲を取っていた。場所後に右眼窩底骨折と診断され、手術したそうだが、よくぞ先場所頑張って9勝をあげたものだ。 今年の春場所で、110年ぶりの新入幕での優勝を果たした尊富士は、怪我で陥落したが、先場所十両優勝して前頭16枚目となり幕内復帰。初日は勝ち、活躍が楽しみだ。 尊富士は最後の仕切りの前に、呼出に渡されたタオルを使い、その後に綺麗にたたんで呼出に返す。初日はピンクのタオルを綺麗に海苔巻き型に丸めていた。この美しい所作をテレビで連日映して欲しい。