犬がウンチのあとに土を蹴散らすのはなぜ? 犬の生態にまつわる雑学
犬はふだん不思議な行動をよく見せますが、これは犬の人とは異なる体のつくりや、犬だけがもつすぐれた能力が関係していることも。そこで今回は、犬の生態や能力にまつわる雑学について、ヤマザキ動物看護大学准教授の福山貴昭先生に伺いました。 【写真】クンクンにおいをかぐボストン・テリア
ウンチのあとに土を蹴散らすのは「自己主張」のため
犬は肉球の間に趾間腺という分泌腺があり、趾間腺からは犬それぞれのニオイ成分が分泌されます。犬がウンチのあとに土を蹴散らすのはマーキング行動のひとつで、後ろ足で土を蹴散らすことで、ウンチの周囲に自分のニオイをつけているのです。なお、猫はその逆で、ウンチを隠すために砂をかいています。
ほかの犬のオシッコから「年齢・性別・体の大きさなどを知ることができる」
犬は散歩中などにニオイをかぎまわり、そこに残されたニオイから、どのような年齢や性別、体の大きさの犬がそこに尿をかけたかを判断します。 ニオイを打ち消すために自分の尿をかけることもあれば、自分より相手が強いと悟った場合は、尿をかけるのを控えることもあります。
犬が見ている世界は「セピア色」
人と比べると、犬は暗いところでもある程度は見ることができ、一方で色を感じる能力は劣ります。とくに赤を識別しにくく、ブルーやレモンイエローなどが見えやすいとされているので、おもちゃ選びの参考にしてみるとよいかもしれません。
犬はすぐれた嗅覚で「利き水」ができる
人に比べて犬の鼻の粘膜は広く、嗅細胞の数も、人が約500万個であるのに対し、犬は約2億5,000万~30億個あります。それだけ犬の嗅覚はすぐれており、麻薬探知犬などとして活躍できるのもそれが理由です。 また、犬はそのすぐれた嗅覚で“利き水”ができるといわれており、競泳プールに入れたスプーン1杯の砂糖でさえもかぎ分けることができるのだそうです。
犬同士は「ボディサイン」で会話をしている
犬は元来、平和主義です。群れの平和を保つためにさまざまなボディサインを習得しており、横を向いたり、背中を見せたりとさまざまなボディサインを出し合うことで、犬はトラブルを防いでいます。 ドッグランや散歩中など、ほかの犬と会ったとき、犬同士は“体”で巧みに会話をしており、飼い主さんがあわてて介入しすぎてしまうと、かえって“話”がこじれることがあります。 犬が土を蹴散らしたり、周囲のニオイをかいだりするのは、犬のすぐれた嗅覚や生態にもとづくもの。犬の生態について理解を深めて、よりよい対応やコミュニケーションを重ねていきたいですね。 お話を伺った先生/福山貴昭先生(ヤマザキ動物看護大学准教授 博士(学術)) 参考/「いぬのきもち」2024年10月号『知って楽しいおもしろ雑学が大集合! 誰かに話したくなる犬の話』 文/宮下早希 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
いぬのきもちWeb編集室