クニエとみずほ銀行、サプライチェーン途絶リスクマネジメント支援で業務提携
株式会社クニエと株式会社みずほ銀行は18日、自然災害やパンデミック、地政学リスクなどによる、企業におけるサプライチェーン途絶リスクマネジメント支援に関する業務提携契約を、11月15日に締結したと発表した。 クニエとみずほ銀行では、各地域での災害や紛争、関税障壁の構築をはじめとする地政学リスクなどを背景に、製造業を中心にサプライチェーンの途絶リスクがますます高まっており、企業にとっては、調達・生産・物流・販売のみならず、売り上げ・運転資金など、財務や決済にまで影響が波及する事態となっていると説明。 こうした状況の中、重要となるのは、調達・SCM(サプライチェーンマネジメント)部門による調達・生産・物流観点だけでなく、財務部門や経営部門による、サプライチェーンを支える資金管理や決済観点の分析・対応を含めたより包括的なリスク対策だが、企業においては、専門的な人材や知見の不足により備えを進めるのが難しいケースや、リスク発生時の資金面なども考慮し、調達・生産・物流部門だけでなく、財務・経営部門と連動した分析・対応が十分に実施できていないケースも見受けられると指摘する。 そこで、従来個別に行われてきたサプライチェーンマネジメントコンサルティングと銀行による支援を連動させ、クニエが製造・調達現場の経験を持つコンサルタントによる途絶リスク分析・対応支援を強化するのに合わせ、みずほ銀行が保有するグローバルな資金管理・貿易金融の知見を連動して顧客に提供する取り組みを実施するとしている。 クニエとみずほ銀行は、サプライチェーン途絶リスクに対する分析から対策方針・目標策定から具体施策の立案、実行に至るまで、コンサルティングファームと金融機関が互いの強みを生かし、顧客の課題対応に貢献する。 クニエは、自然災害やパンデミック、サイバー攻撃、または地政学リスクなどによる、調達から生産、物流、販売に至るまでの一連のサプライチェーンにおける途絶影響の分析・対応策検討の支援を行う。 みずほ銀行は、クニエの取り組みと連動し、対象サプライチェーンに係る資金管理、決済、貿易金融などについての知見ならびに関連情報を提供する。また、両社取引先への相互の紹介を行う。 支援の主なプロセスとしては、「STEP1:方針策定」ではサプライチェーン途絶に関する知識・知見に基づき、対策の方向性の初期仮説と実施範囲、目標を設定。「STEP2:リスク分析・特定」では、自社事業が想定すべきリスクシナリオの具体化と、業務/財務両面での事業影響度を可視化、評価を行う。 「STEP3:対策立案」では、平時および有事に実施すべき対策をヒト/モノ/カネ/情報の各観点から抽出、実行可能な計画に落とし込む。「STEP4:実行支援」では、立案された対策の実行を支援。対策の詳細化と役割分担および、実務現場レベルでのタスク実行を支援する。 クニエとみずほ銀行では、外部環境の不確実性が高まる中、サプライチェーン途絶リスクの検討は複雑さを増していると想定しており、このような難局には、異なる専門性を有する企業が連携して立ち向かうことが必要だと説明。両社は、業務提携契約の締結を契機に互いの知見、アセットを生かしつつ、サプライチェーンの途絶リスク対応に直面している企業への貢献をこれまで以上に進めていくとしている。
クラウド Watch,三柳 英樹