「痩せて可愛くなった」は呪いの言葉? 独身アラサーOLが摂食障害に…美醜のプレッシャーと恋愛依存がもたらした転落
「整形でキレイになった」「〇キロダイエット成功!」。多様性の時代と言われながらも、女性が求める美の基準はそこまで変わっていないように思える。ごく普通の女性が陥るさまざまな依存症をテーマにしたオムニバス漫画『満タサレズ、止メラレズ』でも、摂食障害について描かれている。「痩せて可愛くなった」という些細な一言をきっかけに、過食嘔吐、ヒモ男への貢ぎ、そして不倫…。“美醜のプレッシャー”に囚われたアラサーOLの転落と再生の物語とは? 【漫画】「普通のOLがなんで…」“痩せて可愛くなった”からの怒涛の転落劇に読者戦慄! ■SNSで盛況な整形・ダイエット界隈、「他人基準の美醜に囚われる女性は少なくない」 女性の生きづらさと依存症の関係をテーマにした、オムニバス漫画『満タサレズ、止メラレズ』(コミックシーモア (C) 駒井千紘/ソルマーレ編集部)。本作は「怖い」「自分もそうなってもおかしくない」と話題を呼び、このたびドラマ化されることになった(ABCテレビ 6月23日 後11:55~)。 コミック5~7話の主人公は、些細なきっかけから過食嘔吐になる独身アラサーOL。摂食障害は「女性が陥りやすい依存症の中でも、特にメンタルも健康も破壊する危険がある」と作者の駒井千紘氏は語る。 「女性ならば誰しも、痩せたり太ったりといった体型の変化に一喜一憂した経験はあると思います。自分の健康を気にするのはいいこと。でもそれが『痩せているほうが美しい』『女性は美しくあらねばならない』、さらには『結婚相手として男性に選ばれる対象でなければならない』といった社会的プレッシャーに振り回されているとしたら──。そうした他人基準の美醜に囚われている女性は少なくないのではと、昨今のSNSの整形界隈やダイエット界隈を見ていて気になっていました」 結婚を意識していた彼氏から振られ、体調を崩した主人公。数日寝込んだ後に出社すると、同僚から「痩せた?」と心配されながら、「でも可愛くなったよ」と励まされる。これをきっかけに、ぽっちゃりしている彼女は、「太っていたから彼氏に逃げられた」「痩せたら彼を取り戻せるかも…」という思いを募らせていく。 「この主人公は、恋愛依存の傾向もありました。誰しも一度や二度は恋愛でうまくいかなったことはあると思いますが、多くはそうした経験を通して転び方や立ち直り方を学びながら成長していくものです。ただこの主人公はネグレクト気味に育ったこともあり、両親の愛情の代替を彼氏に求めるようになってしまった。近年はホスト狂いが社会問題になっていますが、不健全な親子関係と特定の人物への依存との関係はよく耳にします」