【40代・50代が知っておきたい美容の疑問】老け感が増す「手の血管浮き」。年齢を重ねると目立つのをどうしたらいい?
40代、50代になってから、手の血管が浮き出てきて目立つようになったと感じている人は、意外と多いのでは。こうなると手が老けた印象になってしまうので気になるものだが、これは、なぜ起こるのだろう? また、改善することはできるの? 皮膚科専門医の渡邊千春先生に教えてもらった。
「手の血管浮き」は加齢とともに皮膚が薄くなってくることや、脂肪の減少、血管の老化などが原因
実は、手は年齢が表れやすいパーツで、年齢を重ねるにつれて特に生じやすい変化が、血管が目立ってくること。 手は人から見られることが多い部分でもあるので、気になるものだが、これはどうして起こるのだろう? 「手の血管浮きの原因のひとつが、皮膚が薄くなってくることです。加齢に伴って、皮膚の真皮層の、ハリを保つ働きのあるコラーゲンやエラスチンが減ってくるので、肌の弾力が失われ、薄くなっていきます。 それに加えて、加齢とともに、血管との間でクッションの役割をしている脂肪も減少していきます。そのため、血管が透けて見えるようになって目立ってくるのです。 また、血管自体が変化してくることも原因のひとつ。 若い頃は血管自体に弾力があるので、内側から圧力がかかっても膨らまないのですが、年齢を重ねると血管壁が弱くなっていき、少しの圧力でも血管が膨らみやすくなります。 手の血管(静脈)には血液の逆流を防ぐ弁がありますが、この弁の機能も加齢とともに衰えやすくなるため、血液が鬱滞しやすくなって血管の圧力が増し、いっそう血管が膨れやすくなります。 このような複合的な原因で、手の血管が目立ってくるのです」(渡邊千春先生) つまり、これは加齢現象なので、残念ながら誰にも起こり得ること。
手の保湿、紫外線対策を心がけ、痩せすぎないように栄養をしっかりとるのが予防・改善のポイント
では、手の血管の目立ちは改善できるのだろうか? まず、セルフケアでできることについて伺った。 「肌のハリが失われないようにするために、まずはしっかりと保湿をしましょう。毎日、顔のスキンケアをするのと同じように、手もハンドクリームなどで保湿をすることを習慣に。コラーゲンの産生を促すレチノイン酸のような成分が配合されたクリームなどを手に塗ると、よりよいと思います。 また、洗浄力が強い食器用洗剤を使って洗い物をしていると、手の油分が奪われて肌あれしたり、手がシワシワになりやすいので要注意。洗い物をするときは、ゴム手袋をつけるようにしたり、なるべく食洗機を使うなどして手あれや手の乾燥を防ぎましょう。 洗い物のあとは、保湿を忘れずに。 手は紫外線対策を怠りがちな部分ですが、紫外線を浴びるとコラーゲンやエラスチンの劣化が進んでしまうので、日焼け止めを塗ることも習慣づけましょう。 痩せすぎないように気をつけることもポイントです。痩せすぎると皮膚が薄くなって、脂肪も減るので、より血管が目立つようになってしまいます。脂肪は女性ホルモンの材料にもなるので、年をとるほど脂肪は落としすぎないことが大切。 極端なダイエットは避けて、タンパク質をはじめ、しっかりと栄養をとりましょう。 当たり前のことですが、健康でいることが若々しさと美しさを保つための最大のコツなので、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動、入浴などを習慣にしましょう」