「正直、そんなに売れないでって気持ちも(笑)」漫画家志望の高校生男女の青春物語『描くなるうえは』著者コンビと“師匠”絵本奈央氏の「師弟鼎談」が実現!!
蒲:絵本先生の職場はトーンまでアナログで、どうしたらこんなに綺麗で透明感があって、瞳の奥行きがある絵にできるのかがわからず、白黒原稿の可能性をすごく感じました。当時、いろいろな先生の職場に行かせていただいていましたが、絵本先生のところにはできるだけ行かせていただきたいなと思っていました。 絵本:めちゃくちゃありがたかったです。 蒲:居心地が良かったですし、絵本先生の原稿が見たいっていうのもありました。他のアシスタントさんもそうだったと思います。 絵本:こちらこそです。お仕事の面でもメンタル面でも本当に助けていただきました。 ――蒲先生と高畑先生のお二人は、絵本先生のコミックスに付箋をつけて持ってきてくださっています。 蒲:絵本先生はとにかく光の表現が素晴らしいんです。がっつりワントーンのグラデを貼って白を差したり、ハイライトでとばしたり、人間をシルエットで見せたり。情報の強弱のメリハリをつけることで印象が強くなったり、キャラの表情を読み取りたくなるんじゃないかなと思います。 絵本:いえいえ、恐縮です(笑)。 蒲:キラキラしたものも描けるし、グっとくる演出もできますし、1枚絵で見せるところでは、ハッと手を止めてしまいます。背景の入れ方とかアングルとかも、マンガを読んでいるというより映画を観ているような感覚です。参考にしたページを挙げ出したら止まりませんでした(笑)。 絵本:ありがとうございます。そんなに褒めていただいて。
――お二人は絵本先生の初連載の『それでも僕は君が好き』(原作:徐譽庭先生)からアシスタントに入られていました。 高畑:これ、蒲さんが描いたんじゃないですか? 映画のところ。 蒲:今見ると拙くて、恥ずかしいです…(笑)。 絵本:あ~! ここ! すごくいい味を出してくださって、嬉しかったです。 蒲:いえいえ、画面を汚してしまって…。でも、こんなに大きいところを預けていただいてすごく光栄でした。