「正直、そんなに売れないでって気持ちも(笑)」漫画家志望の高校生男女の青春物語『描くなるうえは』著者コンビと“師匠”絵本奈央氏の「師弟鼎談」が実現!!
――『描くなるうえは』には、以前の2巻の発売時にもイラストとコメントをご寄稿されていました。 絵本:『描くなるうえは』は話も絵もとにかくエモくて、ここまでエモさが丸裸なマンガってあるのかなって思います。それに、読んでて幸せな気持ちになるだけじゃなくて、痛いところを描いてるのも素敵です。上原くんの持ち込みのときのトイレとか、週刊連載中のつらかったときを思い出して、もらい泣きしちゃいました(笑)。
高畑:経験したことをそのまま描けば良いかなって(笑)。でも、そのまま描きすぎると読んでる方もキツくなるというか、そんなの読みたくないよなとも思いました。 絵本:基本的にはやっぱりラブコメですか? 高畑:ラブコメだし、楽しんでもらいたいし、エンタメにしたいんですけど、そうじゃない部分もちょっと出したいみたいなのがあって。 絵本:すごい隠し味になってると思います。 高畑:元々、『あひるの空』のアシスタントをしていたときに、日向先生がずっと「なんでみんな『漫画家漫画』描かないの、取材いらないよ」と言っていたのを覚えてたんです。 絵本:なるほど。 高畑:だから、自分が経験したことや感じたことをちょっとずつ入れたいなとは思っています。 ――『描くなるうえは』で好きなキャラは誰ですか? 絵本:レンちゃんのビジュアルが大好きなんですけど、ニーナちゃんも当然めちゃくちゃ可愛いですし、一番は上原くんが本当にすごくいいキャラだなと思っています。
蒲:嬉しいです。やっぱり、主人公に入り込めなかったり、好きになってもらえなかったりするのは嫌だなと思うので。 高畑:ラブコメの主人公は、起こることに対してちゃんとドキドキしてほしいなと思っています。いわゆる「やれやれ系」のキャラには、「高校生でそんな奴いないよ」と思ってしまうので(笑)。 絵本:なるほど。 高畑:人一倍感情が揺れてほしいって思いながらネームを描いていたら、顔が真っ赤っかだったり、汗かいたりしてばかりで、普通の顔があんまりないんです(笑)。