25年度防衛予算案、過去最大の8.4兆円 トマホーク配備開始へ
Nobuhiro Kubo [東京 27日 ロイター] - 政府は27日、8兆4748億円の2025年度防衛予算案を閣議決定した。前年度から9.7%増え、過去最大を更新する。中国が軍事力を強化する中、米国から導入を決めたトマホーク巡航ミサイルの配備を開始する。 海上自衛隊の佐世保基地に所属するイージス艦「ちょうかい」に、18億円でトマホークの発射機能を追加する。必要な装備を取得し、25年度内に改修工事を終える。 日本政府は今年1月、米政府との間でトマホークの購入契約を結んだ。もともと計画していた26年度より1年早い来年度から納入が始まる予定で、ちょうかいを皮切りに海自のイージス艦全8隻に順次配備を進める。 専守防衛を掲げる日本は他国の領土に届く長距離ミサイルを保有してこなかったが、中国や北朝鮮など周辺国の軍事技術が発達する中で方針を変えた。国内開発の長距離ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」も、25年度中に配備を開始する。169億円で地上発射装置などを取得する。 また、自衛隊の人手不足問題に対応するため、処遇改善に4097億円を充てる。最も足りない現場隊員の手当を拡充したり、野外演習に参加する隊員に支給する手当などを新設する。 予算案の前提為替レートは1ドル=150円。前年度の139円から11円円安に設定した。円安などによる物価上昇で武器や弾薬の調達費は膨らんでおり、来年度予算案に計上した潜水艦の建造費は1140億円と、前年度から190億円増加した。