ついにアストンマーティン「ヴァルハラ」の全貌が明らかに! F1由来のフレームにプッシュロッド式のフロントサスペンションに見る本気度とは?
ヴァルハラの主要な特徴のひとつは回生ブレーキ
アストンマーティン ヴァルハラの主要な特徴のひとつは回生ブレーキである。これにより、電動ドライブトレインでの航続距離が増加し、従来なら失われるエネルギーを再利用できるようになる。この機能はフロントアクスルのEモーターを活用して、ブレーキ時のエネルギーをHVバッテリーに蓄えることで実現される。 回生エネルギー変換の大部分は、ドライバーがブレーキを踏んだ際に行われる。 このとき、必要な減速力はフロントのEモーターと従来のブレーキの間で能動的に配分される。これは、車両がインテグレーテッド・パワー・ブレーキシステムを搭載しているため可能となり、ドライバーと実際のブレーキ機構を切り離すブレーキ・バイ・ワイヤシステムは、IVC(統合ビークルコントロール)システムに統合されている。これにより、フルABSブレーキング時にも積極的に利用できるという革新的なアプローチが実現され、サーキット走行時には顕著なメリットが得られる。 さらに、この回生ブレーキはトルクベクタリングシステムと連携しており、フロントアクスルの各ホイールに対して個別に回生トルクを分配することができる。これは技術的な大きな進歩であり、パフォーマンスと効率の向上を両立している。
AMWノミカタ
今回のヴァルハラのシャシーとブレーキはさまざまな特徴を備えているが、とくに興味の沸く部分はインボードマウントのスプリングとダンパーを備えたプッシュロッド式フロントサスペンションの採用なのではないだろうか。 かつて「One-77」や「ヴィクター」でも採用されたこのシステムの構造的なメリットは部品が外に出ていないため空気抵抗が低減できることの他にも、車体内部ダンパーがあるため調整や交換が容易であることも挙げられる。 構造が複雑で設計や製造に高い技術力が必要なため主にはフォーミュラーカーのような軽量を追求するマシンに搭載されるが、このサスペンションを999台の限定生産とはいえ市販車に搭載してくるあたりは、他車との差別化を含めアストンマーティンのドライビングマシンとしてテクノロジーの進化を極限まで追求しようとする姿勢がうかがえる。
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