KTM解雇のミラー、悔しい2年を終えて落胆隠さず「僕にとってもみんなにとっても残念だった」
KTMのファクトリーチームを2年で去り、来季はヤマハのサテライトチームとなるプラマックからMotoGPを戦うジャック・ミラーは、誰にとっても失望する結果となったと語った。 【ギャラリー】MotoGPバルセロナ公式ポストシーズンテスト ホンダやドゥカティで優勝を果たしたミラーは、長期的な視野に立ってMotoGPプログラムを構築するために2023年にKTMに加入した。 2023年にはスプリントや決勝レースで表彰台を獲得したミラーだが、チームメイトのブラッド・ビンダーには全く歯が立たなかった。 バイクのチャタリングや、ミシュランの新しいフロントタイヤに手を焼き、2024年にはトップ10圏内でフィニッシュすることさえ難しくなった。そんなミラーにKTMは新たなオファーを出さなかった。 ミラーは当初はKTMの対応に不満を抱いていたが、現在はKTMでの日々を別の角度から振り返っている。 「僕はがっかりしている。みんなにとっても残念なことだ」 「すべての関係者が望んでいたことではない。ドゥカティでの最後の年(2022年)は表彰台に上り、チャンピオンシップを争っていた。25回の表彰台を獲得してここにやってきた」 「想像していたような、思い描いていたようなものではなかった。今シーズンの初めも、これまでで最もハードなオフシーズンを過ごしたが、思うような結果は得られなかった」 「バレンシア(2023年のポストシーズンテスト)でマシンを試した最初の周から、(バルセロナでの最終戦決勝)最後の周までベストを尽くした。そのことに誇りを持っている」 ミラーはランキング14位で2024年シーズンを終えたが、KTMのチームメイトであるビンダーは5位、サテライトであるテック3のペドロ・アコスタは6位でフィニッシュした。 ミラーのベストリザルトは2度の5位フィニッシュ。獲得ポイントは2023年の163ポイントから87ポイントに減少した。これには、ドゥカティがより強力なシーズンを送ったことも関係している。 KTMで競争力を感じたレースについて聞かれ、彼は「2023年のバレンシアだ」と答えた。 「あのときは素晴らしい感触だったし、表彰台を争った。あとは決勝とスプリントで表彰台を獲得したヘレス(2023年スペインGP)と、スプリントで表彰台を獲得したザクセンリンク(2023年ドイツGP)だ」 「間違いなく今年は、新しいタイヤへの適応に苦労していたようだ。昨年のミサノと同じシャシーを使用していたことも助けにならない」 ミラーは、タイGPで15番手から5位まで順位を上げたことが自身のファイティング・スピリットを示していると感じており、逆境に直面しても決してあきらめなかったと主張している。 「貴重なのはブリーラムでの5位だ。また表彰台争いに加われてよかったよ」 「ウェットコンディションだったけれど、この2年間を象徴するような気概を見せることができた。一瞬たりともあきらめなかった。毎週末、頭から着地していたときでさえ、僕はベストを尽くしていた」 「サーキットに立つたびに全力を尽くす。僕はレーサーだし、競争力を持ちたい。残念ながら、ここ数年は期待以上の結果を残せていないし、期待にも応えられていない」 KTMのシートを失い、ミラーはMotoGPに残ることは難しいと考えていたと認めている。しかし最終的にはヤマハとファクトリー契約を結び、来年はその新しいサテライトチーム、プラマックから参戦することになった。 ミラーにとってプラマックは古巣であり、ドゥカティのサテライトチームだった2018年から2020年までの3シーズンをプラマックで過ごしている。
Rachit Thukral