鬼滅、なにわ男子も 大阪桐蔭ブラバン、3年ぶりアルプス センバツ
甲子園に「桐蔭サウンド」が帰ってきた。第94回選抜高校野球大会は第6日の24日、大阪桐蔭が鳴門(徳島)と対戦した。全国でも指折りの実力で知られる大阪桐蔭の吹奏楽部。新型コロナウイルスのため、甲子園アルプス席でのブラスバンドの演奏がかなわなかった卒業生たちの思いも胸に、50人が3年ぶりの生演奏に臨んだ。 【センバツ 全試合の号外を発行】 アルプス席で指揮した大阪桐蔭吹奏楽部の梅田隆司監督(70)は「やっとここに帰って来られました。久しぶりで少し緊張しているが、野球部員と生徒が一緒になって盛り上がれるような演奏をしたい」と感慨深げに話した。 大阪桐蔭のブラスバンドが最後にアルプス席で自校を応援したのは2018年夏の甲子園までさかのぼる。大阪桐蔭はこの大会で4年ぶり5回目の優勝と、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。19年センバツはチームは出場できなかったが、優勝した東邦(愛知)の友情応援でアルプススタンドを盛り上げた。20年の甲子園は春夏とも中止となり、21年春は事前収録の音源を流す形式だった。21年夏は生演奏が実現するはずだったが、部内で新型コロナ感染者が判明し、試合当日に参加取りやめを公表した。 このため、今春に大阪桐蔭を卒業した65人の吹奏楽部の3年生たちは、一度もアルプス席での演奏を経験できなかった。梅田監督は「悔しさを残しながらも、思いは後輩たちに託していきました」と話す。 今大会はブラスバンドが50人に制限されたため、126人の部員からメンバーを選抜。広い屋外でも音が響きやすい金管楽器主体の構成とした。レパートリーは、Aimerの「残響散歌」、なにわ男子の「初心LOVE」など最近のヒット曲も交えて約20曲を準備した。 吹奏楽部の部長でトロンボーンを担当する宮崎志歩さん(3年)は「甲子園で演奏したくて、大阪桐蔭に入学しました。感無量です。野球部員も不安だと思うので、自分たちの音が力になったらうれしい」。アルプス席で夢を実現し、応援に力が入っていた。【伝田賢史、木村敦彦】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。