会見だけで1億を稼いだメイウェザーがUAEで元スパー相手を圧倒…「年内にもう1試合戦う。相手は秘密」とした対戦候補とは?
元5階級制覇王者で無敗のまま引退したフロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米)が21日(日本時間22日)、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビのエティハド・アリーナで行われた2分×8ラウンドのエキシビションマッチで、かつてスパーリングパートナーだった18勝(12KO)無敗1分のドン・ムーア(45、米)と対戦した。メイウェザーはアウトボクシングから徐々にプレッシャーを強め、最終回には左のボディショットでダウンを奪うなど特別ルールで採点はなく勝敗はつかなかったが内容で圧倒した。メイウェザーにとって3度目のエキシビションマッチ。昨年6月に人気ユーチューバーのローガン・ポール(27、米)と対戦したものの、仕留め切れずに評価を落としていたが「今年もう1試合UAEでエキシビションを戦う」と明言した。対戦相手にはSNSで挑発してきたローガンの弟でボクシングで5勝0敗の実績のある同じく人気ユーチューバーのジェイク・ポール(25、米)や元WBA&IBF世界スーパーライト級王者のアミール・カーン(35、英)の名前が挙がっている。
8回に左ボディでダウン奪う
何度も笑った。あの4年前の大晦日の那須川天心戦のときと同じだ。UAEの国旗カラーのトランクスをはいた45歳のメイウェザーはやりたい放題。存分にエンターテイメント性を発揮した。 相手はアマチュア時代から交流があり2012年からメイウェザーのスパーリングパートナーを務めてきたムーア。プロ戦績は無敗だが、タイトル挑戦歴などはなく、2016年9月の試合を最後に引退しており、メイウェザーが、その力量のすべてを知った相手だ。 メイウェザーの叔父である“レジェンド”故ロジャーの指導を受けてきて「倒す青写真はある」と語っていたが、スピード、パンチに怖さがなく、まったくと言っていいほど攻撃力を発揮しなかったため、とても相手にはならなかった。 メイウェザーは、序盤こそアウトボクシングで様子を見て、得意の神技ディフェンスでムーアのパンチを外していたが、徐々にプレッシャーを強め、4ラウンドには、左の高速ジャブを4連発。5ラウンドには、接近戦を仕掛けて左右のフックからボディブローも交えてショートパンチのラッシュで会場を沸かせた。 この試合で、初めて本気を出した。ラウンド間にはムーアはたまらず氷で頭を冷やした。 6ラウンドにはゴングと同時に左フックを強打。ムーアの打ち終わりにカウンターを狙い、左右のボディショットで痛めつけた。2分間ルールが物足りなかったのか、なんと試合中にメイウェザーはレフェリーに「3分にしてくれないか」と訴えた。 さらにラウンド間にドヤ顔でリングを一周。あげくのはてにラウンドガールの持つ「7」と書かれたプラカードを取り上げて自らが掲げ、その美女に要望して一緒にダンスを踊り始める始末。試合途中に解説陣に話しかけるなど、ファンを楽しませることを忘れていなかった。 そして最終ラウンドにハイライトを演じた。電光石火の左のボディアッパーでダウンを奪ったのだ。ヒザから崩れたムーアは、かろうじて立ち上がりカウント8でファイティングポーズを取ったが、メイウェザーはさらなる猛攻でロープに追い詰めた。戦意を喪失したムーアは、もう横を向いてしまうほどだったが、2分間ルールのゴングに救われた。エキシビションマッチだったため、採点はなく勝敗はつかなかったが、もしスコアをつければフルマークの圧勝だっただろう。