子どもが“理系離れ”にならない育て方 JAXAが認めた中学生 人工衛星のプログラムに挑戦中【福岡発】
受験勉強とプログラミングの両立
壮大なプロジェクトに参加している白水さんだが、意外にも毎日プログラミングにかける時間は1時間ほど。高校受験を控える中学3年生の身の上なのだ。宿題を学校の休み時間に終わらせるなど時間をうまく活用して受験とプログラミングの両立を図っているという。 プロジェクトで白水さんが担当する作業はすでに9割ほど終了しているが、自分の作業が適切だったかどうかが分かるのは、まだまだ先の話。「まずは打ち上がった後もこのソフトが動くことを祈るのみ」と、はにかむ白水さんだ。 見守る父親の潤さんは「親ができることは情報をいっぱいあげること」と話す。図鑑や本は幼い頃から与えて、好きなものがあったらとりあえずやってもらうようにしてきたと、息子の成長を喜ぶ。
‟理系離れ”は指導する大人の不足?
小中学生の理系離れが叫ばれて久しい。しかし、文部科学省の調査では「理系科目が好き」とする小学生の割合は92パーセント、中学生でも70パーセントと実は多くの子供たちは、理科が好きだと答えている。それが、成長するとなぜか理科から離れてしまう。博士号の取得者数は、イギリスや韓国は右肩上がりなのに対し、日本は横這いの状況が続いている。「子どもの理科離れをなくす会」の北原代表は「指導する大人が少なく、近くにいないのが問題」と理由を分析する。理系離れの解決には、子どもたちが理科への興味を失わずに勉強や研究の道に進むような環境を整えることが重要なのだ。 いまやJAXAが認めるプログラマーに成長した白水さん。JAXAとのプロジェクトで人工衛星は2025年春、アメリカで打ち上げられる予定となっている。 (テレビ西日本)
テレビ西日本