<独占インタビュ-4>カヌー銅の羽根田 「現役時代は結婚できない」
――失礼(笑)僕はそんな生活です。休日はないのですか? 「日曜がオフ。サウナやマッサージに行きます。タイ式のマッサージがスロバキアには多いので、行きつけのタイ式マッサージの店にいってから、後は部屋の掃除をしたり、誰かから誘いがあれば、お茶くらいはいきますが、滅多には(笑)」 ――孤独なカヌー道ですね。 「だから友達がいないんです(笑)。連絡をすれば会ってもらえる人や、日本人のコミュニティもあるのですが、練習に集中するために自ら距離をおいてしまわざるをえない」 ――日本では、あなたに彼女がいるかいないかがファンの間で話題ですが、そんな生活では、彼女はいませんよね? 「今は(笑)。しばらくはいません」 ――まるで修行の生活を異国で10年も。何がモチベーションとなってあなたを支えているのですか? 「(女性に)もてたい(笑)。」 ――話せば話すほどあなたは面白いねえ。冗談か本気がわからない。 「そりゃ男なら、スポーツ選手なら少なからず、そのモチベーションはあると思いますよ。でも、一番は、目標達成、自己実現でしょう。そんなに深く思いつめて考えたことはないんですが、もちろんお金だとか、名声とかを考えないわけはないですが、子供の頃からの目標に、大人になったからと言って別の理由がつくこともないんです」 ――でも、そのストイックな競技生活を続けながら、結婚なんてできますか? 「嫁さんをもらうことなんて考えられないです。家族を作ってプレーしているプロアスリートがいることが、僕は信じられないんです。カヌーでも、海外にはそういう選手はいるんですが、自分の国の自宅近くに人工コースがあって、海外遠征も年に数回程度なら結婚して競技を続けることも可能かもしれません。でも、僕の場合、遠征は何週間もあり、北半球が冬になるオフシーズンには、オーストラリアのシドニー五輪の人工コースを使っての合宿が1か月半ほどあります。そういう年間スケジュールで、現役である限り結婚なんて無理ですね(笑)」 (第5回につづく) (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)