「2024年秋ドラマ」オススメ5作&傾向分析 “超安定路線”で際立つ「日曜の難しさ」とは
■傾向[2]各局きっての演出家が魅せるこだわりの映像 ドラマ好きならスタッフが発表されたとき、多少の驚きがあったのではないか。『嘘解きレトリック』の演出には、西谷弘、永山耕三、鈴木雅之らが名を連ねている。 西谷は『白い巨塔』『ガリレオ』『任侠ヘルパー』『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』『シャーロック』など、永山耕三は『東京ラブストーリー』『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『ロングバケーション』『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』など、鈴木雅之は『29歳のクリスマス』『王様のレストラン』『ショムニ』『HERO』『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』などを手がけたレジェンド演出家。そのタイトルを見ただけで印象的なシーンが頭に浮かぶようなヒットメーカーと言っていいだろう。 同じフジでは『全領域異常解決室』の石川淳一も『リーガル・ハイ』『海月姫』『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』、映画『エイプリルフールズ』『ミックス。』など。カンテレ制作『モンスター』の三宅喜重も『アットホーム・ダッド』『結婚できない男』『嘘の戦争』シリーズ、『僕のヤバイ妻』などを手がけてきた。
次にTBSは『海に眠るダイヤモンド』の塚原あゆ子が『Nのために』『リバース』『アンナチュラル』『グランメゾン東京』『最愛』など。『ライオンの隠れ家』の坪井敏雄が『凪のお暇』『私の家政夫ナギサさん』『妻、小学生になる。』『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』などを手がけてきた。 日テレは『若草物語』の猪股隆一が『家政婦のミタ』『家売るオンナ』『コントが始まる』『リバーサルオーケストラ』『セクシー田中さん』など。『放課後カルテ』の鈴木勇馬が『偽装不倫』『二月の勝者―絶対合格の教室―』『恋はDeepに』『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』などを手がけてきた。 いずれもフジ、TBS、日テレを代表する作品の映像を担ってきた演出家であることがわかるだろう。当然ながら今秋の作品でも、カット割りやカメラワーク、ライティングや音響、ロケや美術、演技指導などにこだわった様子がうかがえる。自分がカメラマンとして映像を撮っているつもりでドラマを見ると、そのこだわりがわかるかもしれない。