皆が思っているほど完璧じゃないクルマ 「弁慶の泣き所」を抱えた名車 20選
ビュイック・リヴィエラ(1963年)
ゼネラルモーターズのデザイン責任者であるビル・ミッチェル氏は、前任のハーレー・アール氏と同様、米国のハイウェイを走る国産スポーツカーは「巨大で堂々としたものでなければならない」というこだわりを持っていた。 ミッチェル氏は「アメリカン・フェラーリ」として1963年型ビュイック・リヴィエラを構想したが、それはピサの斜塔に対するニューヨークの摩天楼のような存在であった。 リヴィエラは6.6L V8エンジンを搭載した巨大なハードトップ・クーペで、確かに美しいスタイルだったが、長距離クルーザーであってスポーツカーではない。サスペンションは高級ホテルのベッドのように柔らかく、ステアリングもブレーキも曖昧だった。走る彫刻であることは確かだが、フェラーリではない。
アルファ・ロメオ・アルファスッド(1971年)
1971年の発売後約3年間、アルファスッドTiは地球上で最も爽快な小型車だった。そのハンドリング、速さ、イキイキとしたキャラクターは、試乗したすべての人をうならせた。 しかし、フォルクスワーゲン・ゴルフGTiが登場すると、アルファスッドはその影に隠れてしまった。評論家からは高く評価されたものの、実際に所有すると悲惨な結果に終わることが多い典型的なケースである。 当時の『AUTOCAR』誌も1週間所有し、その走りを絶賛しながら、しぶしぶ手放した。アルファスッドに魅了されて購入した人は、納車後わずか数か月で故障し、錆びていくのを目の当たりにすることになった。ゴルフではそのようなことはなかった。
ブリストル412(1976年)
1975年、このタルガトップのブリストル412を購入するには、ロールス・ロイス並みの資金を必要とした。シャシーのルーツは1940年代まで遡るが、依然としてかなりの実力を持ち、速くて乗り心地もよく、公道での使い勝手も予想外に有能なレベルであったことは間違いない。 しかし、ロールス・ロイスやアストン マーティンのハンドビルドエンジンとは異なり、ブリストルにはカナダ製トラックのV8エンジンが搭載されている。また、美しいウォールナット材のダッシュボードとふっくらとしたレザーシートを除いて、他の部材はなぜか無造作にあてがわれていた。 購入した風変わりなオーナーたちは412を愛したが、一般的な愛好家たちは当然のごとくポルシェ928のほうへ向かった。