衝撃!大迫勇也&酒井宏樹のW杯最終予選“天王山”豪州戦欠場が発表…緊急事態に問われる森保監督の真価
定位置の右サイドバックで先発した酒井は、前半を3-1で終えた直後にピッチへ座り込み、右足首を気にしながら表情を歪めている。4点目が入った直後の後半8分の交代は大事を取ったものと見られたが、想像以上に状態は深刻だった。 第8節までを終えたアジア最終予選で、大迫はすべての試合で、酒井は体調不良や故障で欠場した3試合を除いた5試合でそれぞれ先発してきた。 第4節以降は後半途中での交代が続く大迫だが、それでも合計のプレー時間は620分に達し、全試合にフル出場した場合の約86%を占める。絶対的な存在といえば聞こえはいいが、裏返せば大迫を欠いた攻撃が存在しない状況を意味する。 ポストプレーに長けた大迫は、相手を背負いながらボールをキープし、周囲が生きる展開をお膳立てしてきた。最終予選ではボールを失う場面が目立っていたが、それでもボールを奪えば大迫へ預ける形がファーストチョイスになってきた。 システムが4-2-3-1から4-3-3へ変更された第4節以降は、南野拓実(27、リバプール)が不慣れな左ウイングに配置されてきた。もっとも、実際のプレーエリアは中央寄りで、必然的に左サイドに生じるスペースを左サイドバック長友佑都(35、FC東京)と左インサイドハーフ守田英正(26、サンタ・クララ)が埋めてきた。 最終予選を戦いながら一連のコンビネーションを生み出せたのも、相手ゴール前で屈強なディフェンダーたちのターゲットになってきた大迫の存在を抜きには語れない。別の言い方をすれば、大迫の離脱ですべてをリセットする状況が生まれかねない。 4-3-3を継続する場合は、3トップの真ん中は前田大然(24、セルティック)と上田綺世(23、鹿島アントラーズ)、そして追加招集された林が候補になる。 最終予選におけるプレー時間は、直近の中国、サウジアラビア戦で前田が計54分間、大迫に代わってピッチに立っただけだ。しかし、群を抜く加速度とスピードを武器とする前田のプレースタイルは、当然ながら大迫のそれとはまったく異なる。 上田は6キャップを獲得しているが、すべて2019年に記録されたものだ。しかも東京五輪世代を中心に臨んだ南米選手権、そして国内組だけで編成されたEAFF E-1選手権で出場したものであり、林にいたっては今回が初招集となる。 前田と上田、林はともに昨夏の東京五輪代表だが、合言葉に「1チーム2カテゴリー」を掲げて指揮官を兼任してきた森保監督は、A代表では大迫にこだわり続けた。前田のスピードだけでなく、上田の高度なシュート技術、そして攻守両面で前線からアグレッシブに動き続ける林が入った攻撃の形を早急に構築しなければいけない。 現状では与えられた時間があまりにも少ない。