2025年中国政界は「ポスト習近平」を巡って「李強vs丁薛祥」の後継者争い勃発!?
2025年乙巳(きのとみ)新年快楽! 「北京のランダム・ウォーカー」連載は、今週で765回目になります。今年も「毎週1万字の中国(国際)情勢分析」に努めて参ります。 【写真】ホンダ・日産が大慌て「中国のEV」が世界を席巻する「揺るがない理由」 新年号は、中国経済が悪化の一途をたどる中、蠢(うごめ)き始めた「ポスト習近平」を巡る「李強首相vs丁薛祥副首相」の動向について述べます。
中国経済の悪化
2025年が明けたが、中国人の表情が冴えない。私が年末に日々会っていたのは、中国から矢継ぎ早に訪日した計十数人の中国人たちだ。14億人もいる中で、サンプル数が極度に足りないことは重々承知しているが、それでも誰もが「同じ話」をするものだから、やはり問題の根は深いのだと感じてしまう。 「同じ話」というのは、中国経済が悪いということだ。ある企業経営者の口からは、「蕭条」(シアオティアオ)という単語まで飛び出した。「恐慌」という意味だ。 「2025年の中国で『蕭条』が起こるという噂が流れていて、市民たちは自分の財産をいかに守るかという話を始めている」 そんな深刻な話をされて、私は反論を試みた。 「いやいや、CCTV(中国中央広播電視総台)のニュースでは毎日、いかに中国経済がバラ色で光り輝いているかということを放映しているではないですか。それに2024年の通年の経済成長目標は、5%でしょう。低成長の日本からすれば、羨ましい限りです」 すると中国人たちは、「……」。ある中国人からは、こんなイヤミも言われた。 「CCTVとか『人民日報』(中国共産党中央委員会機関紙)とかを一番真剣に見ているのは、もしかしたら外国の中国研究者では?」 彼らは自国の「惨状」をひとしきり嘆いた後、「日本はいいなあ」とぼやく。「何がいいんですか?」と尋ねると、今度は首を回して言う。 「ほら、こんなに広いレストランが、満席ではないですか。さきほど駅から歩いてきた繁華街も、ものすごい人通りで、どの店も賑わっていた。中国では、もう久しく見ていない光景です」